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2-4 丹波の国

よく考えたら、俺、武器を何も持っていない。


手裏剣やクナイの腕前は10メートルほど離れていても、的のど真ん中を貫く腕前だが、今は手裏剣もクナイも無い。

あるのは、転生した時に履いていた細工がしてある水蜘蛛だけ。


それに子供のカッパでさえも、俺を軽々持ち上げた怪力の彦丸を押さえつける力があるんだ。

まじかよ?

どーやって戦うんだ?


俺は村のじいさんに訊いてみた。


「何か、俺が使える刀とか武器ってあります?」


なんだ、忍者のくせに武器の1つも持って無いのか、というような目つきで俺を見てくる。

そうだよな。

俺は忍者村の衣装を着ているので、見た目は立派な忍者なのだ。


「刀ならあるが。お前のような子供には重いぞ?」


だからそんなに子供じゃないって!


そう言って奥に行ってしまった。

すると、何人か大人が出てきて皆で木を切り始めた。


「カッパは火に弱い!火で対抗するんじゃ!

木を切って火をつけて武器を作れ!」


さっきのじいさんが刀を手にして、村の大人達に指示を出している。


そうか。さっき光秀が何やら話していたのは、この事か。


「ほれ。刀じゃ。だがな、大人のカッパは甲羅と頭が硬くて切れんぞ」


!!

刀じゃ切れねーのかよ!


「切ろうとしても、手足、首まで甲羅の中に引っ込めるから、なかなか切れん」


そうか。だから、『火』なのか。

俺は『炎』を出せるから一匹ずつなら倒せるが、カッパが大量に襲ってきたら一気に倒す事は難しい。

どうする?


俺は作戦を考えた。

聞けばカッパは水のある所から現れるらしい。

川、池、沼、海、そして田んぼも。

水を介してこの世界に出入りしているのか。

田んぼの水を抜けば田んぼからカッパは現れないが、米が作れなくなるからそれはできない。


この村は田んぼが多い。

定かじゃないがカッパは何匹もいるらしい。

いや、何十匹もいるかも。


う~む。


そうだ!

俺は、『結界』を思い出した。


田んぼの周りに結界を張れば、カッパは閉じ込められて出てこれないじゃないか?


早速、田んぼに近寄る。

どうやって結界を作るんだ?

じいさん、確か手を広げてたな?

俺はとりあえず両手を広げてみる。


・・・何も起こらず。

そうだよな。

両手を広げて結界が出来ていたら、普通に生活するだけで、いちいち結界が出来てしまう。


よく考えたら、あの炎だってまたちゃんと出るのか?

俺は両手を合わせてから手のひらを外に向ける。


「炎、出ろ!」


・・・。

何も起こらず。

どーゆー事?

おい!何で出ないんだよ?

これじゃ戦えないだろ!

俺は焦った。

何で?さっきは出たのに!


焦っていると、田んぼの稲のすきまから大きな鳥が急に俺の方に向かって飛び立ってきた。


おわっ!?

カッパが現れたと思い、とっさに両手で顔を守るように手のひらを外に向けた。


バンッ

結界が現れた。

神ジジイが作った結界よりはるかに小さいが、俺一人分の大きさの結界の壁。


!?


何で?

どうして出来たの?

俺は手のひらを見る。

・・・気持ちの問題か?

そう言えば炎を出したあの時も、彦丸を助けたい気持ちが強かった。

今も、必死に我が身を守ろうとした。


そうか。そう言う事か。


俺は、元の世界で忍者修業との名目で滝修業に明け暮れた日々を思い出した。


精神統一だ。


俺は大きく深呼吸をした。

俺は一旦心を無にしてから、目の前にカッパがいるのを想像して、手を合わせてから手のひらを目の前に放つ。


ボンッ!


炎が出た。

やった!

次は結界だ。

精神統一。目の前にはカッパの大群を想像する。


「結界、出ろ!」


バ、バ、バ、バン!

出た。結界。

スゲー。


神ジジイ。今度会ったら礼を言っとこう。

俺はもう一度、意気揚々と田んぼの前に立つ。


「・・・結界!広がれ」


バ、バ、バ、バーン!

・・・・・。

結界は張れたが、正面の一面のみ。

俺は田んぼを四角く囲いたいのだ。

もっというなら天井も。

そうか。側面は横に行って作るのか。

俺は田んぼの側面に立つ。

もう一度結界を張った。

バ、バ、バ、バン

よし!


・・・が、大変な事に気付いてしまう。

さっき作った正面の結界が消えている。

そう言えば、その前に作った小さな結界と大きな結界も消えている。


まさか?


俺は、もう一度田んぼの正面へ回って結界を張った。

やっぱり、側面の結界が消えた。


結界は1つしか作れないのだ。

くそ!あの神ジジイ!中途半端なもん作りやがって!


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