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49 不意打ち

「こーら、いつまでクールキャラ気取ってるのー? (グニグニ)」

「ぶぇー」


口数少ない彼女のホッペを両手で揉みしだくと、流石の美少女もブサカワに。

薄暗い部屋の中、敷布団の上で向かい合って寝るスタイルも既に定番化。

同衾ではわわと騒いでいた頃の彼女はどこへやら。

逆に言ってしまえば、『この程度のスキンシップでは満足出来なくなった』という意味。

純粋無垢さは薄れ、順調にドスケベサキュバスの道を歩んでいた。

誰がここまで調教したんだ!


「(プニプニ)んー? 触ってみたらホッペ、カッカしてるね。熱でもある?」

「ほぉー?」

「(コツン)んー」


おでことおでこをくっつける。

少し熱い。

風邪レベルでは無いけど。


「具合悪い?」

「別にぃ。『ちょっと前』からこんな感じぃ」

「ホント? まぁ咳とかは無いけど、早めに寝た方が良いね」

「ん……」


サラリと髪を撫でると、気持ち良さそうに目を瞑った。


「弱ってる子には優しいんだ」

「僕はずっと優しいよ。はよ寝ろ」

「ん。このまま」


おでこをくっつけたまま、という意味だろう。

断る理由も無いので、なにも答えず、僕も目蓋を閉じた。


……すぅ ……すぅ ……すぅ


「んっ」

「んむっ?」


不意打ち。

呼吸音のみの静かな室内で、もう寝るだけという空気で。

まるでこれも、慣れた遣り取りかのような自然な『口付け』。

目は……開けなくていいか。

少し唇を離し、


「初めてはもっと、雰囲気とかシチュを大事にしたい子だと思ってたよ」


彼女は何も答えない。

帰った時から様子がおかしいとは思ってたけれど、何か心境の変化でもあったのかしら。

おでこの熱が上がった気がした。


ツン ツン


彼女のまつ毛と僕のまつ毛が擦れ合う擽ったい感覚。

同時に、彼女が僕の唇の位置を確認するように、数度唇を合わせ来て、


スゥ


呼吸音、いや、息継ぎ。


「はむっ……れろっ……」


二回目のチューは、少し長そうだ。

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