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23プンスカサキュバス


アパート前に着くと、先ず目をやるのがカヌレの部屋。

今は……電気が点いてるな。


ピンポーン

インターホンをプッシュ。

反応無し。

ピンポンピンポーン。

反応無し。


無視してるのか、寝てるのか。

もしさっきの流れで『急用』が寝る事だったら太ェ女だな。

モブ先輩ズ曰く、


『別の女、しかも妹に手ェ出したんだから、カヌレがブチ切れでもおかしくないよっ』

『カヌレも普通の女の子なんだからねっ』


なんてお説教を頂いたけど、妹と遊んだだけの話で何故不機嫌になるのか理解出来ない。

故に、反省も無理だ。

ま、カヌレも明日になってたらスッカリ忘れてるだろ。

それはそれでカヌレが単純過ぎて心配になるけど。


ーー自分の部屋前に戻る僕。


カチャン

「(ガチャ)たーいまー」

「遅い!」

「おう?」


玄関先で仁王立ちして僕の帰宅を待っていたサキュバスが一人。

片足をタンタンと踏み鳴らし何やらイライラしてらっしゃる。


「はぁ? 言うて昨日も同じ時間の帰宅でしょ」

「だまらっしゃい!」


何にキレてるのかはわからないけど、取り敢えず中に入る僕。

リビングまで行って手土産を机に置き、ゴロンと寝転ぶ。

その間も、アンドナはむすりと黙って僕を睨んだまま。


「なに? 言いたい事あるなら言いな」

「私がなんで怒ってるか、わかる?」

「めんどくさい彼女みたいな事言い出したな。知らん。僕の帰宅が遅かったから、じゃないの?」

「女心をわかってない!」

「めんどくさい彼女みたいな事言い出したな」


僕は考えるのをやめ、体を起こし、机のビニール袋の中から手土産を取り出した。


「そんな事よりコレ食べようぜ。高いと解ってても祭りの粉もんは魅力的なんだよなぁ」


買って帰ったのはタコ焼きと焼きそばのセットだ。


「もうっ、ご飯作ったのに変なの買って来てっ」

「ご飯も食えるから問題ねぇよ。……ん? あの袋は……おいっ、なんだその中身は?」

「こ、これは……!」


袋を隠そうとしたアンドナより先にハイハイで袋まで這い寄った僕は、素早く中をオープン。


「おい、なんだコレは? 名前を言え」

「ぅぅ……ジャガバター……」

「どこで買って来た?」

「お、お祭りで……」

「オメェも買ってんじゃねぇか!」

「ウグゥ……!」


一昔前の萌えキャラみたいに呻くアンドナ。

僕はそのジャガバタをタコ焼きそばの隣に置いて。


「君もお祭り行ったの?」

「……(コクリ)」

「あるの知ってたんなら言えよー、一緒にまわれたのに。ま、いいや、それは別の日で。メシにしようぜメシに」


その日の夕食は冷やし中華。

焼きそばと少しキャラが被ってはいたが、僕的には別キャラなので問題なく頂けた。

間につまむタコ焼きとジャガバターも悪い組み合わせじゃない。

冷やし中華の方にキュウリやトマト(中庭にある僕の菜園の)という野菜成分もあるので、割とバランスの取れたメニューなのでは?

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