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17妹デート


駆け足気味に移動した僕達。

いつの間にやら、昨日と同じく街中に居て。


「はぁ、はぁ……!」

「おいおい、この程度で汗だくなんて情けないぞ?」

「す……すい、ません……はぁ〜〜……ふぅ」


ズレた眼鏡を直す少女。

髪もボサボサと乱れていて。

サワサワ


「あぅっ! (ビクンッ)あ、あの……?」

「手櫛でスッスッスーとね。ほら、綺麗な髪だからすぐ真っ直ぐになる……」

「んっ……あ、ありがとうございま」

「オラァ! (ギュッ)」

「ハゥッ!?」


何となく、お得意の不意打ちハグ。

『あの子』と同じように慌てふためくのを想像していたけど……


「んっ……はぁ」


何やら、満足気に色っぽい息を漏らす。

まるで『慣れてる』かのよう。

それに、このしっくり来る『抱き心地』。

謎は深まるばかり。


「うーん。見た目真面目委員長タイプなのに、まさか男慣れしてる? 地味なスタイルでも隠しきれないエロスな色気も漂わせてるし」

「え? ……ハッ! は、はわわ……!」

「今更ワタワタしたところでワザとらしいぞ」


したば。


「君が落ち着いた所で『このお店』入ろっか」

「お店……?」


「いらっしゃーーあらお客様、また来て頂けるとは〜」

「どーも。今日はこの子に合う服を見に来たよ」

「ふむ? 昨日と同じお嬢様では?」

「き、昨日……?」

「ま、それは置いといて。この子は『和』って感じじゃない?」

「そーですねー。和が似合うと思いますねー。でしたら〜」

「あ、あの……?」


「ありがとうございましたー!」


店を出る僕達。


「いやーいい買い物したね」

「え、え? 【コレ】、レンタルとかじゃないんですかっ……?」

「勿論。いつでも『お祭り気分』になれるよっ」


季節は夏である。

この時期ならば街中で『浴衣姿』でも違和感無し。

彼女の髪色にも溶け込む夜色の浴衣。

ペタペタと可愛い雪駄のおまけ付きだ。


「そ、そんな、悪いですっ……!」

「言うても、ただでさえお嬢様学校のセーラー服は目を引くからね。木を隠すなら森、一般人に隠れるなら夏だよ」

「わ、解るような解らないような……」

「それよかオメー、着物を冒涜するようなふしだらなおっぱいの盛り上がりだなっ!」

「す、すいませんっ……!」


今の彼女は髪も形良く結い上げ眼鏡も外して(伊達だった)いるので、もっさり感が消え、こざっぱりとしている。

その美しさは『元女優顔負け』で。

こうして変装してもなお、周囲からの注目は避けられない。

僕的に一番の注目ポイントは、黒髪にマッチする『真紅の瞳』かな。

豊満美少女好きな僕が、顔よりも太ももよりもおっぱいよりも、まず目がいってしまうような、妖しく艶のある輝きを放つ『魅了の魔眼』。

……うーん、今更ながら、眼鏡外した判断は眼鏡フェチからしたら賛否両論だな。


「ちょっと眼鏡付けて貰っていい?」

「え? あ、はい(スチャ)」

「……(カシャ)」

「え? な、なんでスマホで写真を?」

「眼鏡差分」

「差分!?」


よし、コレで眼鏡派への配慮はバッチリだな。


「因みに、僕の浴衣姿はどぉ?」

「……言葉で表現するのが烏滸がましい程に美しいです……世界に溶けそうな白の浴衣と、ポツンと一つだけ模様であしらわれた蓮の花……エメラルドの様な瞳と形よく纏められた銀の髪……直視し続ければ貴方の輝きで目が潰れるでしょう……」

「『似た者同士』キモいなぁ。あっ、じゃ、一緒に写真撮る?」

「ぜ、是非っ……!」


肩を寄せ合い、僕はスマホを掲げて自身らに向けて、


「はい、カーニッ」

「か、カーニ……?」


カシャリ

チーズの掛け声よりも笑みが溢れる掛け声で、僕らはフレームにおさまった。


「おー、いー感じじゃない? このまま芸能事務所に送りつけたら僕らコンビでデビュー出来るよ」

「こ、コンビになるのは魅力的ですが……さ、流石に芸能界は……」


いじりも満足したので。


「じゃ、どこかに移動しようか。昨日は色んなパリピスポットに行ったからなぁ。会話も出来て落ち着けるような場所がベストなんだけど」

「え、えっと、もしかして、このままの姿でどこかに……?」

「そりゃデートだからね」

「で、デート……!」


ウロウロしつつ、目的に合いそうな場所を探索しているとーー


「こ、ここなんかどうでしょう……?」

「んー? あー、成る程。これ以上見つからんかったらホテルに行ってたよ」

「ホテル!?」


ギリギリな所で彼女がベストな落ち着きポイントを発見したので、そこへ入店。

チョチョイと受付を済ませたら……

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