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訪問3
―リン―
―王を止めよ―
―王は焦っている。恐怖していると言い換えてもよい―
―そしてそれに王自身が気づいていない―
―生物か霊か、曖昧な存在である王は、死ぬということを漠然としか理解していない―
―だからこそ何処まで行えばどうなるのか、己自身について理解していない―
―このままでは人を殺し、己も消える―
―妖刀がそれを更に促している―
―今の人間よりも弱い王に、あれに抗う力はない―
―リン。王が正当な判断をしてると思うな―
―今の王は、己自身を保てているかどうかさえわかっていない―
だいじょうブだ
俺は、俺だから




