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魔王の手帳  作者: Karionette
第三章 霊道
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訪問2




僕は御堂家道場に所属する一人の門下生だ




毎日のように稽古をし、ぼろぼろになる毎日




それが今日は少しだけ違った






牢屋のような壁がずんっと音を立てる




外で鍛えていたメンバーは自然と音の方を向いた






耳を澄ますと話声がした




どうやら荒れているらしい




ここは知らない人からみたら刑務所のようなところだ




多少治安が荒れていても仕方がない




それにいつものことだ。そのくらい






・・・と思った






僕はいつものようにサンドバックをたたく




綺麗な小気味いい音を立てるはずだったそれは




爆発するかのような轟音でかき消された






あんぐりと口をあける




眼を丸くする






こういった言葉は驚きを示す比喩表現だと思っていたけど




その時の僕はまさにその状態だった






爆音を立てたのは、門だ






そびえたつ壁と同じ高さである正門




これが開くのは招かれた人がいるときだけだ




だから、門下生が来る朝とか帰る夜とか、あとはお客さんがくるときしかあかない






それが開いたのだ




開いたというか、飛んだのだ






そしてその先には小さな人影








「~~~ん‼」








男の人が何か呼ぶ声が聞こえたけど人影はまっすぐに歩く






だが、ここは御堂家だ




僕みたいな御堂家の血筋じゃないひともいるけど、どちらにしろ急な事態に拳を構える人しかいない








「うらっゃるおえらあああ!!!!」






よくわからない掛け声 (もとい怒鳴り声)を上げながら向かっていく訓練生たち




しかし彼らはすぐさま戻ってきた




何かされたわけではない




さっきの門みたいに吹っ飛んだわけでもない




ただ、もどってきた



相手はずんずんと、歩いているだけだ




赤い眼を光らせて








これは立派な道場破りだ




だれか立ち向かうべきだし、そうでなくても誰かに報告すべきだ




でも、僕を含めて誰も動けなかった






うごくな




うごくと死ぬ




殺される






そんなごく単純な脅迫が、自分の体から発せられるのだ






「銀髪。殺さなきゃいけなくなるからやめて」






そして 聞き覚えのある声が響く










「あぎゃああああああああ!!」




「いぎぃあぁああああああああ!!」




「だすげてぐれぇええぇえええええ!!」




「ぴぃやああああぁああぁぁああああぁあああ!!」












阿鼻叫喚




泣き叫びながら、ただ事ではないことは理解した






いし、き





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