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魔王の手帳  作者: Karionette
第三章 霊道
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消える






銀髪が横になってスマホをいじってる。




パーカーにジーンズで黒髪。背も低いし、目が赤くなければ普通の学生に見えなくもない。






「薙。お前の方は?」




「芳しくない」






今は兄貴の買っているマンションの一室にいる。




私と兄貴の家は別だから帰ってもいいんだけど、こいつがいつ消えるかわからないとか言うから近くにいることにした。




正直こいつが今どういう状態なのかはわからない。


よくわからないけど、こいつは人間界にいるだけで体力使うほど貧弱で回復するには寝るしかないのに、自分の家でしか寝れないわがままな奴だと思うことにした。


兄貴に言ったら概ねあってるらしい。




「……」




「……なんだよ」




「別に」






いつもならこんなこと考えてたら、殺気をもった目で見てくるんだけどな。






「赤眼。人間側にいてどのくらいになる?」




「何日かって言われたら、あの事故の日ちょっと戻ってそれ以来かな」




「その前は、所謂100%の体力を保ったままだったのか?」




「いやー、100ではないけど、具体的にはわからん」






自己管理しろよ。






「説明すると色々面倒だけど、霊側は銀髪バージョンで能力使うのにもそんなに力を浪費しない。

そのかわり、そこに存在するだけで力をがりがり使われるんだよ。姿を保つのがきついってかんじ。


人間で黒髪バージョンはそこにいるだけで使う力は少ないけど、何かを起こすときに力を使う。

霊体で銀髪バージョンは能力使うのは楽だけど、存在するために力をよく使う。


感覚論だけど、こんなかんじがする」




「意味わからない生き物だね。銀髪は」




「説明書があるわけじゃねーしな。理由もよくわからねぇよ。

説明するとしたら、銀髪バージョンは肉体を消すのに力使ってんじゃね?

本来あるものを一時的に無くすのって疲れそうだし」




「なら、一応人間の体で過剰な力を使うのは疲れるってことか」




「というかこっちで能力使うときって、人間側の俺に霊体の俺を混ぜたというか。


霊体の俺を人間側に肉体ありきで存在させてるっていうか。そんなかんじなんだけどな」






まぁ確かに、銀髪になってるもんね。力使ってるときって。


なにはともあれ、本人でさえ理解できない生き物が銀髪ということか。






「回復するには霊界へ戻らないといけないのか。それとも銀髪の体、霊体になる必要があるのか」




「霊界。確かに俺はこっちでも霊体になれるけど、あれは力を使ってるから」




「そうか」






そして霊界にいくには霊道が必要。なるほどね。






「俺の予想では、どっかの馬鹿が今回の事故原因を知って何かしやがった。もともと婆がどっか行ってからこっちも荒れたし、一部霊感が強くなった奴もいる。それでこの有様だから、まー確信もってやったんだろうな。

呪術かなんか知らねぇけど、悪霊が来たからそうなったとか勘違いしてやりやがったんだろ」




「銀髪が来たらそうなったって結末だけなら、あながちそいつもミスはしてないか」




「もともと殺害計画たてられてたんだからな」




「……まぁ、な」






はぁ、と大きくため息をつく。




成仏ができないことで荒れ始めた霊たちは、見つけ次第消すことになっている。




それは銀髪を慕うマリモとかがやっているらしい。




あたしも協力できるかと思ったが、あたしがやっても消えはしなかったらしく、さらにずたずたになって苦しんでいたそうだ。




どんまい。






「力が使えれば、原因くらいすぐに…」






銀髪の二度目のため息が響く。




あの事故で生存者全員の致命傷を肩代わりして回復してを繰り返し、銀髪はもう存在することしかできないくらい疲弊している。


霊視とかはできるみたいだし、戦闘能力も申し分なかったけど。






「あんた。ほんとに消えるの?」




「……さぁな」






再びスマホを拾う銀髪。






「霊として存在しきれないほど弱くて霊道も見つけきれなかった奴は勝手に消える。だから俺も消えるんじゃねぇかな」






知らねぇけど。と銀髪は続けて、それから何も言わなくなった。








ほんと、わからんけどさ

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