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魔王の手帳  作者: Karionette
第三章 霊道
83/219

死なない








どうして




どうしてだ




わたしは死んだ




あんな高いところから飛んだんだ




死んだ 死んだ 死んだんだ!!






なのにどうして




どうしてわたしはまだここにいるの




天国でも地獄でもいいから行かせてよ




どうして ずっと ここにいないといけないの






ああ ああ ああああああああああ!!!!






こんな世界が嫌だから飛んだのに




勇気をだして飛んだのに




まだ見ないといけないのか




まだ聞いていないと 存在しないといけないのか




もう一度飛んでも 海の中に沈んでみても




まだ まだまだまだまだまだまだ




わたしは消えない どうして消えない消えない消えない‼








オマエのセイか?








見知らぬ老人にへばりつく




老人がうめく




ああ おまえも苦しいか




そうかそうか




わたしと同じか




何度死んでも死ねないわたしと同じか




体も声もなくなっても消えないわたしと同じか






























「違ァァァァア゛ア゛ァアア゛ウ‼‼」










一緒なわけがあるか




胸が痛い?息がしずらい?




わたしはそれを超えて死んで、死んでもそれが終わらないんだ




痛い痛い痛い痛い‼ 苦しい苦しい苦しい苦しい‼




終われ終われ終われ終われ終われ終われ終われ終われ終われ終われ終われ終われ‼‼




それでも! それでも! それでも!




終わらない 








「あ゛ぁア゛アぁあああアァぁぁぁぁあああぁアア゛ァあああアアああ‼‼‼」








叫ぶ




老人の体を引きちぎる




こんなこと許されない でもわたしは人ではない




人でないものに許すも許さないも あるはずがない






老人は倒れた




生きた体はちぎれないが、どこか苦しんでいるようだ




なるほど わたしの苦痛の片鱗でも味わいたいというのか








「それナら、ゆックり、教エて、アゲる」








においがする




わたしと同じ苦痛にゆがんだ化け物の匂いだ




日本中からか。この世すべてからか




香しい呪われた苦痛の匂いはわたしに残された唯一の安らぎだった










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