ヘルプ2
「おマエらのせいダ」
スマホから現れた女はそう言った
「オマえらのセイで私は……」
長い前髪の間からおぞましい眼をのぞかせる白い服の女性
スマホの液晶から出てきた、ナニか
「人間。おまえタちが憎い……」
待って。
なにこれ。なにこれ。なにこれ
追ってきた女よりこえぇよ
なんだよ。だってこれあれじゃん
おれ見たことあるよ
これって………
「貞子と呼ぶなぁぁぁぁあああああ!!!!」
「ひぃぎゃあぁぁあああああああああ!!!!!」
机が吹き飛び、床がめくりあがり、天井が崩れる
バラバラと瓦礫が舞うなか、切り取られたみたいに女は身を震わせていた
彼女には、埃も瓦礫も触れない
「何故おマエのような子供に、呼び捨てされなきゃいけなイ……」
「ごごごごごごめんなざいごめんさいごめんなさいごめんなさい」
オレは無我夢中で土下座しながら謝った。
涙も鼻水もだらだらと止めどなく流れるが、拭う余裕すらない。
「若殿に頼まれナケれば、人間なんぞ、助けるどころカ、言葉ヲ交わす価値すらなイ…」
女はぼそりとそう言って、大きくため息をついた
そして長い髪をまとめ、赤いひもでぎゅっと結ぶ。
「ぷえ?」
間抜けな声がでた。
青白い肌 真っ黒な黒髪
そして日本人らしい黒い眼
そこにいる女の人は、おぞましい程に美しかったのだ。
「来たレ。恩ある魔の御方を妨げル者よ。礼を忘れタ獣となったコト地獄で悔いルがいい…」
手足をばたつかせたケケケ女が来た。
女の人が大きく一歩踏み出すだけで、その女は消えてしまった
貞子ー
加減しろよー




