見舞い2
とん、とん
「ん。…はく?」
”おうさま げんきだった?”
「…全然。死ぬ気はないって、笑ってたけど」
”いやだな はくこ おうさま好きだもん”
「僕もだよ」
”うん…”
「カガシなら、なんとかできるの?」
-我とて万能ではない。死を壊すことはできん-
「そう、だよね」
-王ならば死なぬかもしれない。
が、死者を壊す術を受けたというならば、永遠に壊れ続けるのだろう。
その苦痛は生き物が味わうものではない-
「………」
”あ。しゅき”
「朱鬼ちゃん。あー…いいよ、メールで」
ぽろん
『わたしは、赤目さんに恩義があります。死なせません』
『でも、わたしには何もできません』
「朱鬼ちゃん…」
ぽろん
『赤目さんが居場所をくれたんです。生まれなおさせてくれたんです。
暖かい家族と笑える毎日と安心をくれたんです。
絶対に死なせたく、ありません』
「僕もだよ。地下室に引きこもる生活が変わったんだ。
見えていてももう怖くないし、カガシたちがついていることも知ることができた。
僕にとってもアカメさんの存在は大きいよ」
”はくこにとっては遊びあいて!”
「何とかしたいな…」
-リン。赤鬼。貴様らにできることはない-
”はくこには!?”
-白狐も我もだ。可能とするなら一人のみ-
ぽろん
『誰なんですか?』
「カガシ?」
-王は両方を行き来する管理者。ゆえに霊しか受けぬものも、人のみ影響のあるものもどちらも受ける。今回は、霊を破壊するものによる。故に、霊のみの管理者ならば、あるいは救うことができるやもしれぬ-
…あ?
婆のこと、か?




