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魔王の手帳  作者: Karionette
零章 アカメの日記帳
29/219

虐め2








都市伝説の一部となり




普通の霊とは違う存在となり




成仏することはもうできない






わたしのようなものを妖怪や怪異、あるいは神と人は呼ぶ






死んだ何かが寄せ集まってできたもの




死んだ何かが強い想いから昇華したもの




妖怪として生まれたもの




生きている内に妖怪へと昇華したもの






多々経緯はあるが、わたしは単なる人の霊




すこし人を殺めすぎただけ






管理人がいる






霊や妖怪が人へ危害を与えないように見張る役割だ




驚かしたり怖がらせたりするのは良い




だが、呪い殺したり傷をつけたりするのは別




わたしたちは架空であり、幻想であり、不確かでなければならない




力ある一つの存在になってはいけない




死んだ先の存在が知られてはならない




だから管理人は毎日走り回っている






「おまえが甘い、か。知らない奴はこえーなぁ」






彼は呆れたように笑う






「どんだけ泣こうが叫ぼうが、肉塊になるまで子どもを引きずり回してた奴が甘いもんかよ。


 下が廊下だろうが石だろうが氷だろうが、人が肉になるまで永遠とな。


 時間のかけ方なら、あの人間よりお前の方が上なんじゃねぇか」






あの人間に意見も正しい。馬に引きずられるのも杭を打った樽の中もさぞ痛いだろう。


だが、痛みは耐えれば過ぎる。一定の慣れもある。意識を失えば消える。


わたしは痛みを与えたいのではなかった。


恐怖、屈辱、無力感。そして後悔。それらを痛みと共に与えたかった。






「赤眼さまは……」




「ん?」




「どうして、わたしをお止めにならなかったんでしょうか」






他の妖怪の方々がどのくらい悪行を行ったかはわからないが


わたしの行ったことも、赤眼様のルールに反することだ。




日々身を扮して働く彼はどうしてわたしを見過ごしたのだろうか






「だから、お前らは妖怪や怪異って呼ばれるんだよ」






赤眼様はにやりと笑った。






「俺や婆でも止められない。人の世に出て記憶や記録に残る。


 


 死んだときの感情や恨みに流されてる霊とは違うんだよ、お前らは。


 俺らが取り締まれるものって所詮意思が弱いやつで、


 簡単に言うと拳骨で止めちまうような奴。お前らは違うだろ?対抗して戦いにくるじゃねぇか。




 だから、お前らはもう生まれ変わったようなもん。新しい命を消す気はねーわ」






ただし、やりすぎは止めるけどな。根性で。彼はそう言って立ち上がり、ふっと姿を消した。




下を見ると黒髪の姿の彼がいる。






「あれ。止めたいんだろ?ほんと、しょうがねぇやつだな」






そう言って彼は子供たちのところへ向かった。


5人全員分の荷物を運ぶ小さな子供のところに。


















































「お前らさ、かばんの一つも持てないのか」




「あ?なんだよ、てめぇ!」




「バック持ってる奴が一番根性あるじゃねぇの?


ガタイが良いわけじゃねぇのに頑張ってんなぁ。


それに比べて他は……」




「おれらが鍛えてやってんだよ」




「そーだそーだ。外野がうるせぇんだよ!」




「なんだよ、チビのくせに」




「あぁぁぁぁあああん!???」




「「「「「ひぃっ……」」」」」








……赤眼さん、暴力で解決しちゃだめでしょ


いじめられてた子も怖がってるじゃないですか。














「おまえの席なんかねーからぁ~」




「あはははは!まじで捨てちゃったよ!」




「窓から捨てるとかまじやば……って」




「ん?どうしたの?かすみ」




「外。机、持ってる奴いるんだけど」




「は?」




「嘘でしょ。ここ3階よ?そこから落とした机キャッチするとか…まじだ」




「………ちょ!?」




「あいつ何する気よ」




「こ、こっち投げる気!?」




「ま、まままま待って待って待ってって!!」




「嘘!?冗談でしょ!!?む、無理って絶対……」




「「「え、ええ、え、ええぇ!?


 ぎゃーーーーーーーーーーーーーーっっっっ!!!!!!!!」」」








赤眼さんが怪異みたいなことしてどうするんですか。


噂になりますよ?3階から机落としたら投げ返してくる、とか。




もう。ダメですね。赤眼さん


次わたしがやります。














「ほら、死ねよ~」




「飛ぶだけで死ねるよ?高いもんね~」




「びびってんの?大丈夫大丈夫、いたくないよ~。私らも死にたいくらいよ」




「「「あはははははあっはっは」」」






じゃ、あなたタチがいきましょうカ






「は?」




「急に暗く…ってあんただれ?」






わたシは死神デスよ








「……は?」






死にタイなら、死にまショ?




飛ぶだケですヨ?






「ちょ…嫌だ」




「に、逃げないと!!」






逃げル?びびってるんデスか?






「は…?」




「橋の、上…?」




「し、下みえない、んだ、けど…」






怖くナイですヨ 痛くナイですヨ




さぁ、ふたりで、逝きまショう?






「いいいいいやだいやだいやだいやだ!!!死にたくないよ!!!」




「た、助けて!ごめんなさいごべんなざいいいいいぃいいい!!」






ダメです よ?






「「いやだああああああぁぁぁぁあああああああああっぁぁぁあああああああ!!!!」」








あ。














おい。ひきこ


ほんとに橋から落としてんじゃねーよ!!


お前こそ駄目じゃねぇか!!














わたしたち、いじめを止めるの向いてませんね














だな。やっぱ、あれだよ。人間に任せるのが一番だって














そうですね


































ってことで頼むわ




意味が分からんwwww


さすがに専門外なんだけど!!




だっていじめで死ぬ奴多いんだもん




だもんって言っても知らないよ


僕ひとりで何しろって言うんだよ




……だよなぁ




というかアカメさんが口出す問題でもないでしょ


人間の問題だし




まぁ、確かに


凛が正しいな




何してんスか、もう




ごめん




…というか後ろの女性だれ?




ひきこ




……名前は知ってるけど美人さんっすね




だってさ。よかったな




ていうか、アカメさん


最近なんか叫ぶ霊に追いかけられるって相談多いんだけど




……




憑かれたりはしてないんだよ。その人たち


ただ、最近急増してさ


なんか知ってる?




……俺のせいじゃないもん




絶対アカメさんのせいだなって


こら!どっか行くなー!!






死ぬやつ多いと管理する対象多いし

病むやつ多いと嫌でもそういう系招きやすいし

俺だって文句も言いたくなる時だってあるんだよー……


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