犬呼寺8
「結構覚えてる人いるんだ」
「ん?」
「1000も味わったことあるとかいってるし、アカメって言葉もでてくるし
アカメさんが言った言葉をそのまま言ってる人もいたよ」
「俺も完全に消してるわけじゃねぇし、こうして縁ができることで思い出すこともある。
だから妖怪とか霊とかの情報って、曖昧ながらも残ってるんだよ」
「そんなものかー」
「そんなもん。それにしてもよ
なんで掲示板ってとこの奴らってこんなバカなんだろーな」
「いいでしょ、アホばっかで」
「人間も捨てたもんじゃないって思えるくらいには面白い」
「僕と会うきっかけになったのも提示版だしね」
「だなー。じゃ、そろそろいくか。もう用はないし」
「その前に、アカメさん」
「おう」
「あの黒い犬、どうするの?」
「………あ」
「迫力のある犬だねー。怒っているように見えるんだけど」
「あー……」
「何したの?」
「いや、ここさ。送り犬がでるって言われてたろ」
「うん」
「あれとこの寺は別モノで、むしろフォローしてくれてたっていうか…」
「うん」
「ここ、あいつらの場所でもあったのに祓っちゃった」
「……なるほど」
「ごめん」
『はぁ?』
「ごめんって」
『聞こえねーなぁ』
「悪かったって!黒妖犬!お前らがここに来た馬鹿を守ってたのも知ってるって!ごめんて!
居場所用意しろ?えーと…。地獄とかじゃだめ?だめね。痛ててて!悪かったって!!!
つーかここ清めたのは真神で俺じゃないんだけど!???」
『だからこそ何とかしろよ管理者』
「……それも道理だな、うん」
「おい、凛!!」
「だって、管理者だもん」
『話がわかるな、小僧。そういうことだ。責任とれよ』
「真神にいえよ!つーか出てこいよ!真神!!」
「アカメさん、どんまい。僕帰るから」
「は!?凛、おいちょっと待てや!朱鬼…もいねーし!!!!」
『血肉置いてけや』
「なんでこんなので俺が喰われないといけねーんだよ!
おかしいだろ!絶対おかしい……って。
おいおいおいおいおいおい! 群がるな犬ども!!
絶対喰われてやらねぇぞ!殺るならやるからな!俺は!!
だから、ちょ……毛が…。ふわふっわだな、おい!
じゃ、じゃれんな!もふんな!や、やーーめーーろーーーー!!!!!!!」
くすぐってぇぇんだよ!!




