犬呼寺1
8/7 9:00
調査を開始する
対象は犬呼寺
昨今心霊スポットとして有名な朽ちた寺である
今回はその御堂で宿泊し実態を調査する
8/7 12:00
寺は古く、山の中にあった
茂みは深く手入れされた様子はない
御堂を確認した
床はところどころ腐っているが雨は凌げそうである
寺といえど仏像といったものは何一つ残っていない
猛暑だがここは静かで涼やかだ
8/7 21:00
暗視カメラのセットが完了した
録音の機材も問題なく稼働している
本日のやることは終わった
ここに犬呼寺の歴史を残す
元々この寺は田畑や人へ危害を加える山犬たちを鎮めるために建てられたそうだ
本来ならば神社が建ちそうなものだが、当時高名な和尚様がおり
彼の名前が犬飼であったことから、彼の名のもとにそのまま寺が建てられたようだ
その寺では犬を鎮めること、犬の被害に遭って亡くなった人を供養する役目があった
しかし近くの村がダムの建設のために廃村を余儀なくされて
山が削られたことで山犬も数を減らし、結果寺の管理者がいなくなった
手入れされず朽ちた寺は、何ともいえない雰囲気が漂っており
「獣に食われた姿をした霊がでる」「大きな犬がでて襲われる」と噂だっているのだ
8/8 9:00
早朝。心地よい目覚めだ
カメラや録音を確かめるも特別不思議なことはない
今日は周辺の散策を行う
8/8 12:00
見つかった物で特筆するものはない
食事がすんだら御堂内を詳しく調べるつもりだ
8/8 21:00
御堂の中に手記が発見された
犬神について書いてある
昔の蠱術だ
犬を頭だけだして地面に埋め
目の前にエサを出したまま
飢え死にする瞬間で首を落とす
これが何の関係があるのだろうか
8/9 ??
変だ
時計がぐるぐるとまわり続けている
時間がわからない
眠って起きたのだから朝であるはずなのに
外は真っ暗で何やら物音がする
ずる、ずる、と
引きずるような音だ
慌ててカメラを見た
カメラには生首が大量に写っている
人間の、生首だ
寝ている私を全部みている
これはいけないと思い外に出ようとしたが
鍵さえかかっていない御堂の扉はまったく開かない
開こうとしたら犬の遠吠えが響いた
8/10 9:00
遠吠えを聞いて最後、私は気を失った居てらしい
この寺は危険だ
すぐに出発うのよういをすr
御堂の扉は今度こそ開いた
8/10 12:0000
下山するも、景色が変わらない
辺りが暗い昼間とは思えない
そして何かがずるずるとお近寄ってる
後ろを向くと止む
急ぐと追いかけてくる
犬が鳴いてやまない
8/10 ????
全速力で下山する途中
私は足をとられて転んでしまった
その時見てしまった
目gあってしまった
にんげんだ
目玉がなく、舌がだれさがり、腹が食いちぎられ
手足の長さがいっしょにされてる
犬のようにされた人間だ
アレはすさまじいスピードで向かってきた
道からはずれて転げ落ちるように山をおちた
全身が痛い 傷だらけだ
遠吠えだ
また犬の鳴き声だ
助けてくれ
だれか助けてくれ
こんなもの心霊現象ですらない
恐怖体験を超えている
こんなこt望んでいない
のぞんでいるわけがないだろう
からだがかまれr
いたみでいしkがたもtない
うめられて 首だけそとに
地面で体があぱpくされる
おなkすいた
おなkすいた
おなかすいt
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかおなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいたすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
おなかすいた
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昔、犬飼というお坊さんがいました。
犬飼はとても犬が大好きでした。
犬飼はある村にいきました。
その村は昔から犬に酷いことをしてきました。
だから犬飼は懲らしめることにしたのです。
地面に埋めて飢え死ぬ寸前で首をおとしたり
首を落とす前に最後の晩餐とその人間の子供を食わせたり
舌を長く引っ張り出して邪魔な長い足を切ったり
犬たちにされたこと以上のことを犬飼は行いました。
やがて村は死んだ犬たちの恨みと自分を殺した犬飼への恨みがたくさん集まりました。
犬飼はそれらを和らげるためにお寺を建てて自身もそこで亡くなりました。
犬飼の亡骸は何かに食いちぎられたような酷い有様だったそうです。
獣にしては顎が弱い生き物に、それはそれはゆっくりと食い殺されたそうです。
8/30 ????
悪い悪い夢を見ていた気がする
そんな最悪な目覚めは大きな黒い犬が迎えた
黄金の瞳を持つ、巨大なオオイヌだ
その傍には赤眼の青年が寄り添っている
青年は言った
ここは特別な場所だ。送り犬がいなければ外には出れない。
何があっても振り返るな。何があっても躓くな。
ゆっくりでいい。止まらずに去れ。
私は立ち上がった。
まっすぐな道をしっかりと踏みしめて進む。
変わらず何かが追いかけてきているし、先ほどの青年もいない
時折響く犬の遠吠えも、変わらない
送り犬については知っている
躓いたりすれば食い殺すという妖怪だが、道中の災難から救われたという説もある
なるほど、どちらも本当ということか
途中背中に重さを感じたり、腕を引かれたり
助けてと叫ぶ女性の声が響いたりしたが
私は振り返らず進んだ
目の前が生首の積み上がった山になったときは怯んだが
狼のような遠吠えで山は消え道が出来た
心の中で犬へ感謝を告げる
そして犬への謝罪と、犬にされた人たちへお悔やみを
すると道が開けた
何処かもわからないが、車の走る道路がある道だ
時刻は夕刻
お地蔵さんを背もたれにした青年がひらりとこちらに手を振った
あの、赤眼の青年だった
青年はこのレポートやカメラ、録音機を回収するという
そしてここでのことは私も忘れるそうだ
9/1 9:00
アカメと名乗った青年は
あの寺はいずれ祓うと言っていた
だが自分は管理人で消滅させるのが仕事じゃないから
いつか人間の側がそれをするだろうと言った
できれば、な
意味深に彼は笑っていた
私はあの送り犬になにかすべきだろう
命を救われたのだから
何ができるかと聞いたら青年は指さす
あの子犬、拾ってやれば?と
なるほど
命の礼は命で、ということか
私は震える子犬を胸に抱え帰路についた
あーあ
ここはそろそろ、だめだな




