リュウ2
「お前はまたそんな馬鹿なことを…」
「何故だ?理にかなっている」
「どこの世界に自分に取り憑けっていう人間がいるんだよ!」
「勝つための手段は選ばん」
「アホが。そこら辺の妖怪やら幽霊とは違うんだぞ俺は!」
「生憎それは私もだ」
「だろうな!!」
「聞け。まず、私たち共通の目的は……」
「聞くかよ!第一お前はなんでそいつを敵視してんだよ。よく知らねぇが記憶がないんだろ!?友達かもしれないってだけで命かけるとか馬鹿らしいだろうが」
「………一理あるが、それは違う」
「あ?」
「私は御堂家。命をかけるとするなら、それは勝利のためで、今の私もまた、その勝利のために動いている」
「…意味わからねぇ」
「仲のいい友だという明澄。そしてその男の妹を実の妹と思っていて、男は私の身代わりになったという。もしもその現実があった際に、この私がそのまま引き下がると思うか?その道を選ぶと思うか?」
「………」
「当然、そんなことはありえない。何も知らないうちに全て行われた可能性もあるが、私の頭脳を持って気づくことができないことも、ありえない」
「お前自分がガキだったからだとか考えねぇの?」
「子供であったとしても私は私だ」
「…まぁそうだけど」
「人柱に代理がいること、明澄が死んでいないこと、私に記憶が無いこと……。総合して考えたが、現状リュウに利があることがない。
私の体を盟約通りに使えばよかったのにそうしていないということは、何かがあったからだろう」
「……」
「リュウ。勝負の続きだ。私が勝てば自由を貰う。お前が勝てば盟約通りだ」