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魔王の手帳  作者: Karionette
第五章 死に望まれている
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対策




あれからすぐにあわただしくなった




御堂家(薙くん)直轄の病院へ転院となり、ベリくんに頼んで念入りに守ってもらう


といっても僕自身は拘束具を付けられて動けないし、交通規制のかかった誰もいない道路を車が走る


万が一にでも事故が起きないように車は新車(救急車)


運転手は卓くん(何故か怪我してる)で、付き添いに俊くん


車の上に剣ちゃんという徹底防御っぷり


ベリくんが始終暇そうに漂っていた。僕も暇だった




そしてついた病院




病院に階段はなく、角という角すべてが取っ払われて


床は絨毯、靴も履かない。窓すらない。あるけど開かない。


食事は剣ちゃんのお母さん、サヤさんの手作り。入口警備は槍さん


僕の怪我の治療はなんと卓くんが名乗り出た


実は彼の家系は医者の家系ならしい(本人勉強中)




「いつかの恩がやっと返せます!!」




すごいやる気だった。




その他雑用関係はすべて俊くんが取り持ち、食事の毒見や薬品の試用もすべて剣ちゃんが行った


というか彼女もけが人だから休まなければならない




そう言ったのが運の尽き


彼女とは同室になって鍵までかけられた




どこかサヤさんがニヤニヤしてた気がするけど気にしないでおく






「まぁなにかあったら助けられるし。


また火事とかおきてもタツじゃ鍵あけれないだろうけどあたしは余裕だから。


ちょうどいいんじゃない?」






なにがちょうどいいんだか!






「まぁ兄貴の作ったシェルターだから、火が起きたら1秒もかからずに砂が落ちてくるだろうけど」






ちなみに室内火気厳禁。すべて電気で賄っている


あれだけ一緒にいた剣ちゃんや薙くんが殺しの要因にならないからって周りを知り合いで固めて…




ここまでしてくれなくても…いや、しないと死ぬのかな。僕は






「ありがとう」






結局僕に逆らう力も理由もなくて、そういうしかなかった




ここまでくると、あとは精神的なものだ


こればかりは僕以外にどうしようもない




…と思ったらベリくんが対処してくれた






「薄汚れたゴミムシの死体ですらない崩れた魂なぞワタシとて目にするにもおぞましい!


下等生物が生物ですらなくなって、それを下回る意識と存在ですからねぇ。


価値もない害悪ですね。まったく」






なにしたかは知らないけど霊は僕に近寄らなかくなった


そのせいではくも近づけなくなっちゃって、時折ベリくんと喧嘩?しているようだ






「タツ」








大規模な引っ越しの翌日


ほぼ強引に同室になった彼女は改まって言った






「タツ。守り切れなくてごめん。怪我させてごめん」








剣ちゃんは僕にそう言った


開かない窓の外には夕焼け空が広がっていて、美人な顔に朱がさして




僕の心臓が破裂するかと思った


やばいって!!5歳も離れてるし相手は女子高生だし僕はこんな身の上だし!!




「そんなことない」も「気にしないで」も、そんな気の利いたセリフは何も言えずに


僕はいつも通り謝って、ありがとうと言った




剣ちゃんは呆れたように笑う


理性を飛ばさずに済んだのは頭上をニヤニヤ顔で漂うベリくんのおかげだろう


















数日が経った




僕の怪我もよくなり、とっくの昔に剣ちゃんは全快


薙くんは御堂家討伐クエストを順調にすすめていて、時折アカメさんもこちらに来れるようになっていた




そんなある日






「……おやおや、主サマ」






肉体をもって姿を現していたベリくんは形の整った眉毛をひそめてこう言った






「どうやら、妖怪がぞろぞろと、入り込んだようですよ?」






僕はためいきをつき、隣の剣ちゃんはにやりと笑った


ベリくんとチェスの対戦をしていた卓くんはポトリとナイトを落とす






「まじっすか…?」






顔を青ざめさせて人間らしい反応をとる彼を見て


僕も人間から外れてきたなぁと実感した




そして隣の女性も素早くスマホをとる






「シュッキに連絡する」






いつの間にか仲良くなっている彼女に連絡を任せて


僕は僕で、頼りになる彼と連絡を取った








『アカメさん。次は妖怪だって。ヘルプ』






送信。と











妖怪?

まためんどーな…

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