夢1
「おい、凛。大丈夫か」
眼を開けると、くりぬかれたはずの目はそこにあって
銀色の髪をした誰かさんがそこにいた
「・・・・・今度は、アカメさんまで登場?」
「俺は本物だ。夢だけど」
「・・・どうゆうこと?」
「人間側にはまだ行けねぇけど夢なら干渉できた。夢に本物の俺がいるんだよ。
今後のために覚えとけ。俺って存在は誰も真似できねぇから夢に俺じゃない俺がでることはねぇよ。
とにかく、助けるの遅くなって悪かった。結構難しかったんだよ」
「やっと、目が覚めたってこと?」
「頭まわってねぇな、凛。まだ夢だ。俺はそっちに行けるほど回復してねぇよ。
こっち戻ってからまだ2日しか経ってない」
「・・・5年くらい経った気分だ」
「だろうな」
銀髪バージョン、つまりは霊体であるアカメさん
心無しかかっこよく見える
なんというか。この世の者じゃないかんじ。いやそうなんだけど
「俺がいれば大抵の奴らは寄ってこねぇから安心しろよ」
「夢って集まりやすいの?」
「現実で非現実的なことを起こすのに夢ほど適した所はねぇだろ?
悪夢の9割はこっちの奴らの仕業だと思っていいよ」
そうか
そうだよな
人に直接干渉できないのが霊だけど
それが唯一できるのが夢ってことか
そっかそっか
「アカメさん。なんか、綺麗だね」
「ぶっころされてぇの?」
いや、そうじゃないんだけど
うん。ごめん。頭まわってないや
「それにしてもさ。なんで僕って霊に殺されそうなんだろう」
アカメさんは押し黙る
言わなくてもわかってる
霊は物理的に刺し殺したり絞め殺したりすることはできない
できるのは肉体がある妖怪たちやカガシみたいな存在だ
だから、ちゃんと今までわかっていなかったけど
僕は何度も霊に殺されそうで、それをずっとカガシが守ってくれてて
今はその守りがないから殺されそうなんだ
誰にって。直接殺したり傷つけたりできない霊と呼ばれる者たちにだ
「なぜって聞いたら、アカメさんならわかる?」
「・・・」
「どうして僕は、こうも死に近いのか」
ベリアルに言われた
こうも死に近いものは初めてだと
この世から死を望まれているようだと
死んだほうがいいのか、メリットがあるのか
そんなことはなくて、死んだところで何も変わらない小さな命だとベリアルはいった
それなら何故僕は死にそうなんだろうか
殺されそうなんだろうか
「…まぁいっか。これは夢だし記憶も霞むだろ」
アカメさんはゆっくりと口を開き
「凛。お前は………------」
映像が、切れる。アカメさんの声も姿も消えた。
起きたか、あいつ