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喫茶店デート継続中


 しばらくして注文していた甘味が運ばれてくると三人は各自注文した甘味を口へと運んだ。


 「ん~。甘くて美味しいわ。やっぱりここは外さないから来て正解だったわね」


 「そうね。セラも久しぶりだったしかなり満足」

 

 パクリ、パクリと一口ずつ同じ間隔で食べ進める二人に遅れながらクロノも食べ進めていたが思っていた以上に量が多いことにより苦戦を強いられ、目の前の二人をチラッと見てみると、食べ進め方を理解しているのか、味わいながらクロノよりも食べ進めており、結局二人の助力も得て何とか食べ終えたクロノはここ数日分の甘味をまとめて食べておくことが出来た。


 「ふー。食べた、食べた」


 「美味しかったですね。セラも大満足です」


 「二人共よく食べたよね。僕なんか二人がいなかったら、食べきれたか微妙だったよ」

 

 クロノが食べたのは全体の半分ぐらいで、残りの半分はフィリアとセラが食べてくれて、今は食後の口直しの渋めのお茶を飲んで口の中を整えている。


 「さてさて、そうしたら次はどこにデートするかここで決めちゃいましょうか」


 「ごめんね。先に僕から伝えておきたいことがあるから先に言わせてもらってもいいかな」


 「クロノ様から伝えたいこととはなんでしょうか」

 

 デート先に何かリクエストでもあるのかと二人は気になりながら、クロノは昨日のリフィアから伝えられた冥獄凶醒(めいごくきょうせい)についての情報を、二人以外に聞こえない様に伝えた。

 

 周辺を気にしながら伝え終えると、二人は息を飲んで伝えられた情報を各自で整理し理解した状態で言葉を発する。


 「クロノ様がりフィリア様から伝えられたのは冥獄凶醒がいるというだけでしょうか」


 「そうだよ。リフィアもまだ詳細には掴めていないようだったから、とにかく今は情報を集めるしかないかな」


 「冥獄凶醒ってことはまたあの気持ち悪い奴みたいのかしら。そうなるとそれなりに見つけやすいと思うけど、セドナ王国の中心部だけでもかなり広いから現状だと確かにざっくりしすぎていてどう行動したらいいかも決められないわね」


 「そういうこと。それに今は学園も警戒をしているから、その内に何か情報が入るだろうから今はその時がくるまでに準備をしておこう」

 

 「それもそうね。しっかし、意外と早く見つかって良かったのか悪かったのか」

 

 フィリアは目を細めて何かを恨むように渋い顔しており、セラもどこにやりどころのないモヤモヤを含んだやりきれない表情をしているおり一度会話が途切れると、


 「すいません。お待ちのお客さんがいるので席を空けていただけますでしょうか」

 

 声がする方を向くとそこには店員さんが非常に申し訳なさそうにお願いしており、クロノは率先して席を空けようとする前に二人は先に席から立ち上り店から出ようとしていた。どうやら、二人もここで話す内容でも無いということとシスターという立場を考慮してすぐに席を明け渡したのだ。


 「僕が会計をしてくるから二人は先に出ていて」


 「わかったわ」


 「お金は後でお支払いいたしますね」


 ちょうど雰囲気も悪くなっていたので、出るにちょうどいいと思いながら僕は伝票を持って会計を済ませようとすると、会計所で先ほど注文を受けてくれた店員さんと目が合った。


 「あ、君はさっきの。あの時は笑っちゃってごめんね」


 「そんな。謝るなんていいですよ」


 「そう。それなら良かった。でもお姉ちゃん達もいい人そうだし君も姉弟仲良くって感じがしてよかったね。お姉ちゃんも妹ちゃんもシスターみたいだし、とっても平和そうでなによりだし。あ、そうださっきは笑っちゃったからこれお詫びにどうぞ」

 

 手渡されたのは袋に包まれた飴が二つ。二つということは姉扱いされているフィリアの分はないと思われるが、だからといってセラだけに渡すと何かが起こりそうだったので、ここは二つとももらっておくことにした。


 「ありがとうございます」


 「それじゃ、また時間がある時に三人で来てねー」

 

 クロノは手を振ってくれる元気な店員さんに愛想笑いをしながら店の外に出るとフィリアとセラが何やら腕を組んで話合っていた。


 「二人共何を話し合っていたの?」


 「さっきも話したけど、この王国に冥獄凶醒(めいごくきょうせい)が潜んでいるなら、今日の予定はやっぱり止めにして情報収集が今一番しなきゃならないことかなって」


 「冥獄凶醒の対処を怠れば、取り返しのつかないことになるかもしれませんから、出来ることなら今すぐにでも対処に出るべきでしょうから」


 「でも、誰も情報は持っていないし僕だって昨日リフィアのお告げから知ったから。それに冥獄凶醒は人間に対して異常なほど興味をもっているから、噂を辿れば見つかるかもしれないし、今日は王国内を調査ってことにして情報を集めようよ」

 

 二人はクロノの言葉を聞いて顎に手を触れて考えると、


 「そうですね。セラはクロノ様の案に賛成します。今はお告げだけですし、それに情報もざっくりしすぎているので調査も兼ねて、移動範囲を広げて調査しましょう」


 「セラの言う通りね。さて、そうすると特徴的な人間が集まるところか。そうなると危ない場所もあるけど、そこも調査するとしましょうか」


 「よし、それじゃ行こうか」


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