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食後の会話


 「さて、食事も終えましたし、セラが予定は全て無事終了となりましたが、クロノ様は何かありますか?」


 「うーん。今日来たばっかりで何が分かっていないのかが分からない状態だから、また疑問に思ったらその都度質問させてもらうよ」


 「分かりました。その際はセラに聞いて下さいね。あ、それともし良ければ先ほどの火竜との戦いについて聞きたい事があるのですがよろしいですか?」


 「うん。もちろん。何でも聞いて」


 「ありがとうございます!」

 

 セラはクロノに見えない様に小さくガッツポーズをすると、早速質問させてもらう。


 「火竜戦で出したあの火の球体は、クロノ様が持つ使徒様の能力なのですか?」


 「一応そうだと思うよ。あの時は火竜が相手だという事も分かっていたから、どんな攻撃がやって来るのか予想するのも簡単に出来たし、それなら試しに火の強さ比べっていうことで、纏ってみたけど思った以上に使えたから、もう少し試してみようかな」


 「あの、発想も瞬時に考え付いたのですか?」


 「いやいや、あれは前にシスター達から火の奇跡を大量に打ち込まれたことがあるから、その経験を生かしてやっただけで、それがダメだったとしても今回は本物の火竜じゃないから他にも試したいことはあったからね」


 「クロノ様は随分と珍しい体験をいろいろされているのですね」


 「あの時は特に死んだと思ったね。でもリフィアのおかげで助かったし、それに今があるからリフィアには感謝しかないよ」


 「その経験を生かして今回やってみたのが、あの火の球体という訳ですね。あの球体の守りにはセラも驚きました」


 「でも試してみたけど、思っていたほど上手く出来なかったし、結局火竜の爪撃で壊れちゃったから次はもっと強度が欲しいよね」

 

 火竜の火球を弾き飛ばすほどの強度判定であるあの球体ですらクロノはまだ足りないと言い切り、セラはその言葉を聞いて次に話そうとした言葉を失ってしまい、話が一旦途切れるとクロノは急に眠そうに大きなあくびをして重くなった(まぶた)により目を細める。


 「クロノ様、お疲れですか?」


 「そうかもしれない。セドナ王国に来てからいろいろ行動したし、それに本当なら今は夜だと思うから身体がこっちに慣れていないや」


 セドナ王国は現在昼を過ぎた時間であるが、アクアミラビリスとの時差によりクロノの感覚は夜中と変わらず身体はいつも通り休息を求めているのだ。


 「セラさん。ごめん。少しベッドで横になってもいいかな?」


 「ええ、もちろんですよ」

 

 クロノはセラの返事よりも先にベッドの方へと向かっており、返事を薄っすらと聞きながらベッドに横たわるとそのふかふかの毛布に包まれてすぐにすぅすぅと寝息を立てて寝てしまった。

 

 セラはそんなクロノを見ながら、目を細めて今も気持ちよさそうに寝ているクロノの身体にそっと手を当てた。

 

 決して屈強といえないその身体にはセラ達の筆頭となる力が宿っている。

 

 そんな力を宿しながらもクロノは、こうして前に進み宿した圧倒的な力を更に自分の物にしようと強い信念を持って動いているのだ。その立場は他の者達とは違うのかもしれないが、この時のセラには不思議と諦めるという感情は無く、むしろ食らいついてでも付いていこうと感情を燃やしていた。


 「セラはクロノ様のお力になれるか分かりませんが、全力でお供させていただきたいと思っていますから、今は安心しておやすみ下さい」

 

 セラは静かにクロノが眠るベッドの上に乗ると寄り添うようにして体を横に倒し、その手でクロノを優しく撫で続けるのであった。


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