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クロノ様ごあんなーい


 現在クロノはセラと並んで学園内を案内してもらっており、時折横目でセラの事を改めて見ているのだがセラにはフィリアと違った可愛さがあり、その可愛さは精巧に作られた人形のように感じられた。

 

 今もその輝く銀髪を揺らしながらクロノに説明をしているのだが、セラの表情とその仕草に話が耳に入らない時があるほどセラの魅力は強烈である為、このまま案内を続けてもらっては心が持たないと本能で感じたクロノは、高まった気持ちを和らげる為に話題を考えてセラに話かけた。


 「そういえば、フィリアは大人しく検査を受けているかな?」


 「フィリアは、昔からやることはなんだかんだ言ってやるので今は諦めて大人しく検査を受けていると思いますよ」

 

 フィリアが検査という言葉を聞いてからあそこまで動揺するなんてクロノは思いもよらなかったが、それほど検査はフィリアにとって嫌なものであるのだろう。

 

 検査が無事に終わったとしても、不満が溜まったフィリアが何をしてくるか分からないので会うのが少し怖い気もするけど、恐らくいろいろと気持ちを吐きだしてくるだろうから、準備を怠る事のないようにしようと思うクロノであった。

 

 思い返してみればフィリアと出会ってから、あのフィリアをあそこまで説得出来るのはクロノが知る限りだとセラしかいないので、話を始めたついでにフィリアについて問いかけてみることにした。

 

 「そういえば、セラさんとフィリアってどれくらいから一緒にいるの?」


 「そうですね。小さい頃からずっと一緒にいるので結構付き合いは長いですね。思い返してみると昔からフィリアと他の子達とはいろいろとしたものです。フィリアも昔からあの性格でしたし、困ったことに大きくなったのは体だけで他は何も変わっていませんからね」


 「やっぱり、やんちゃだったの?」


 「そうですね。昔はセラも含めてやんちゃでしたね。そのせいで周りの人達には苦労をかけたものです。あの頃のセラ達はリフィア様の能力を上手く利用していたので更に厄介だっただろうなと今のセラでも思いますね」

 

 セラはフィリアとの思い出話を語ることに夢中になっており、その最中(さいちゅう)も表情を崩しながら楽しそうに話をしていたので、その表情からクロノは二人の仲が(うかが)え、クロノは思わずくすりと笑ってしまった。


 「クロノ様。何か面白い事でもありましたか?」


 「フィリアとセラさんの仲が良くて僕も嬉しいなって思ったら、つい」


 「そんなことないです! セラとフィリアは腐れ縁なだけですから!」

 

 セラは頬を膨らませて言い張るのだが、クロノは「はいはい」と聞き流すのであった。

 

 その後もセラの案内は続き、学園内の多くの施設を説明してもらい、今日は休講ということもあってこれでも上手く案内が出来たとセラは言っていたのだが、クロノはなんとか歩いた道のりを覚えているぐらいで、本当に覚えているのか断言は出来ないレベルであったが、とりあえずセラの案内は完了して現在は元にいた場所に戻って来ている。


 「これで後はクロノ様の部屋のみの案内となりますが、どこかもう一度向かいたい場所はございますか?」


 「そうだな。時間があるならちょっとだけ試したい事があるから練習場に行ってもいいかな?」


 「はい。もちろんです」


 「それじゃ、練習場はこっちだったよね」


 「クロノ様。練習場は反対ですよ」


  早速、記憶の曖昧さが露呈してしまいクロノは思わず苦笑いをするのであった。


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