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これからの役割


リフィアは、二人に向かって真剣な表情で話し始める。


「まずは、今回倒したヴェドについてじゃが―――――」

「のじゃシスさん、ちょっと先に質問いいかな?」

「なんじゃ?」

「のじゃシスさんの名前ってリフィアでいいんだよね?」

「そうじゃよ、それがどうかしたのかの?」

「僕は会った時からずっとリフィアの事を、のじゃシスさんって呼んでいたから一応確認って事で聞いてみたけどいいんだね」

「そう言えばそうじゃったな。……まぁクロノはわらわの事を好きに呼べばよい。さて、話に戻るぞ、それでヴェ―――――」

「クロノちゃん。その、のじゃシスさんってなんなの?」

 

 今度はフィリアが、のじゃシスさんという聞きなれない言葉に反応してしまい。リフィアの話が再度中断となる。


「それは………ってリフィア、そんな顔してどうしたの?」

「話が進まんから、その事は後で話をしておいてくれるかの?」

 

 リフィアは、その顔は笑顔のままなのだが、何度も話を途切れされていることに、思うところがありそうに見えたのでクロノとフィリアは、黙ってリフィアの話に耳を傾けるのであった。


「さて、続きからじゃが、今回倒したヴェドじゃが、あいつらとわらわ達は一度戦って倒しておるのじゃ。しかし、奴らも姿を上手く消して復活しておったのは今回の件でよくわかったのじゃ。だからこそ、警戒せねばならぬのじゃ」

「それで、あの気持ち悪い奴は、他にもどれぐらいいるの?」

「そうじゃな、元となる《(まがつ)》は、感染し数を増すから可能性としては、それなりにいるじゃろうな。じゃが、《(まがつ)》は元となる存在から少し力を増したぐらいじゃから《(まがつ)》ぐらいであれば脅威ではない。しかし、それが《冥獄凶醒(めいごくきょうせい)》となると話が大きく変わるのじゃ」

「その《冥獄凶醒(めいごくきょうせい)》って呼ばれているのは、あの気持ち悪い奴の事になるの?」

「そうじゃ、あのヴェドも《冥獄凶醒(めいごくきょうせい)》の一体じゃ。相変わらず女好きな性格じゃったが、まさか、シスター達を襲うなどという行為に出るなど、わらわも舐められたものじゃな」

 

 リフィルは、悔しそうに奥歯をギリリと噛みしめた。


 《(まがつ)》と考えられるあのゴブリンや、メイオールさん達なども普段よりも禍々しい気を放っていたのは、すでに《冥獄凶醒(めいごくきょうせい)》であるヴェドにより《(まがつ)》という存在にされたからである。


 「だからこそ、わらわもこの問題に早急に対処する為にクロノの同意の上で、クロノをわらわの使徒にしたのじゃ。フィーちゃんを含めた、他のシスターやモンクが、わらわ達の授けた力を上手く使うものをAランクとすると、使徒はSランクじゃ。だが、それ程クロノの立場はこれから更に重要となるのじゃ」


 クロノは、モンクでもシスターでもなく使徒となった。その力は、シスターやモンクが持つ奇跡や加護とは異なる別次元の力を持つ。今回の戦闘でみせたその一部が、コクウの状態変化と、能力向上である。


「それじゃ、クロノちゃんはこれからどうなるの?」

「申し訳ないのじゃが、クロノの運命は、わらわにより本来の運命とは全く異なるものとなったのじゃ。だからこそ、フィーちゃんや、わらわの力を受け入れた者達はクロノを助けてやってもらいたい。もちろん、クロノもその者たちだけでなく他の人達も奴らからの脅威から護ってほしいのじゃ」

 

 クロノは、リフィアの願い出に大きく頷き、


「もちろんだよ。リフィアがいなければ、僕は、ここにいる事も、フィリアにも会う事が出来なかったからね。任せてとは言えないけど、出来る限りはしてみるよ!」

「本当にフィーちゃんや、クロノには感謝するのじゃ。さて、残りの時間ぎりぎりまでとなったが、大事な事は話せたから良かったのじゃ。あとの事は、また今度会った時にでも話すとするかの」

 

 リフィアは、空間を指でなぞり始めると、その場所に扉が出現する。


「この扉を通れば、その先には教会に繋がっておる」

「リフィア。すぐにまた会えるよね?」

「もちろんじゃよ。今度はクロノのおかげですぐに会えるのじゃ。だから、フィーちゃんもクロノや他の者達と仲良くするのじゃよ」

「分かったわ。クロノちゃんは間違いないけど、他の奴らとはなるべく仲良く出来るように頑張ってみるわ」

「そうじゃ、フィーちゃんならきっとみんなと仲良くなれるのじゃ」

「リフィア、僕らは元の場所に戻るとするよ」

「クロノよ。これからもよろしく頼むのじゃ」

「わかったよ。リフィアまた会おうね」

「リフィア! またすぐに会いましょうね!」

 

 クロノはメイオールを担いで、フィリアはクロノの手を握りクロノもその手を握り返し、扉へと進むその姿をリフィアは見届けるのであった。


最後まで読んでいただきありがとうございます! 

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