辿りついた花畑
「うっ……うん? ここは……どこだ?」
クロノは、目を覚まし、周辺をキョロキョロと見渡すと、周辺に色とりどりの花々が咲き誇る花畑に辿り着いていた。
頬に手を当てると、その感触は伝わり、腕や手、足などを見ても特に異常はなく、クロノの近くには、フィリアとメイオールも横たわっており、二人の姿を見ても特に異常は見られなかったので、安堵した後に再度この場所に疑問を抱いていると、
「やぁクロノよ。久しぶりじゃな。どうじゃ? 体は治ったか?」
その、見覚えがある小さなその姿を見て、クロノは安堵しながら、
「うん。完治目前だよ。のじゃシスさん」
お世話になった神様の、のじゃシスさんと再び出会いクロノは、表情を緩めて再開出来た事を心から喜んだ。
「というか、やっとクロノって名前を呼んでくれたね」
「そうじゃな、クロノはわらわの力を持ったから、その名前を呼んでやらんといけないからの。どうじゃったかの、授かった力は?」
「最高に良かったよ。おかげで全て上手く出来たよ」
「そうか。それは良かったのじゃ。さて、そうしたら、二人が起きる前に、少しだけ話をしようかの」
のじゃシスは、長椅子を召喚しあの時と同様にちょこんと、その椅子に腰かけ、クロノもその隣に並ぶようにして腰かけた。
「今回クロノに渡した力はフィーちゃんや、その他のシスター達とは少しばかり力の仕様が違っておっての、その為、クロノは奇跡や加護は使えんがその代わり先ほど使ったような力を使う事ができるのじゃよ」
「のじゃシスさんがくれた力は凄かったよ! おかげであのヴェドを倒すことが出来たしフィリアにもまた、会えたよ」
クロノはその力を与えてくれたのじゃシスに対して感謝の言葉を述べると、のじゃシスも微笑みながら安堵した。
「それは、よかったのじゃ。それなら、出会った時から少しずつ馴染ませた甲斐もあったというものじゃ」
のじゃシスさんはうんうんと頷きながら、自分が行った行動を褒めていた。
「やっぱり、最初からだったんだね。どおりで、地竜や火竜と戦えた訳だ」
「いや、そうはいってもわずかばかりだったからそれは分からんな。さて、時間も無いし続きはまた今度にするとして、これでクロノはわらわの使徒になったわけだし、他のシスター達の事もよろしく頼んだのじゃ」
「え? それってどういうこと?」
のじゃシスさんの言葉に何かが引っかかる。
こういった直感で疑問に感じたことは、毎度ひどい目にあっているので、確かめておかなければ。
「のじゃシスさん、他のシスターってどういうことですか?」
「あー、その事はまた今度でいいじゃろ! それよりも早くフィーちゃんをさっきしたみたいな熱―い口づけで起こしてくれるかの? わらわもそろそろフィーちゃんと話をしたいのじゃよ」
「ちょっとのじゃシスさん⁉ なんでその事を知っているの⁉」
「いやー。救いに出向いたら、それは、それはいい雰囲気じゃったから、ゆっくり外野で眺めておったわ」
「え⁉ あれを全部⁉ ちょっ、ちょっと。のじゃシスさん! それについて詳しく――――――」
クロノは、慌てふためきながら弁解をしようとすると、
「うっ? …………うん? ここはどこかしら。あ、クロノちゃん…………それにリフィア………なの?」
「そうじゃよ。フィーちゃん久しぶりじゃ」
のじゃシスさんは、にこっと笑いフィリアは、のじゃシスさんを包み込むように抱きつくのであった。
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