アーロンという最強の門番
フィリアと、メイオール達は教会の奥にある部屋で、フィリアが待ちに待っていた友達であるリフィアと出会える場所に繋がっているというこの門を目の前にして、すぐにでも入ろうとしていたフィリアは外から何かを感じて、その方を見た。
「ねぇちょっと、教会の入り口の方で何か騒いでいない?」
わずかばかりではあるが、時折、振動や、怒号みたいな声がするような気がしたのだ。
だが、メイオールは、そんなフィリアを気にすることなく、
「気にすることは無いよ。それにこの奥には、フィリアの待ち望んでいた友達がいるんだよ。早く会いたくはないのかい?」
「うん確かに早く会いたいけど……でも、なんか変よ、少し見に行かない?」
いつもなら、特に気にすることなく目の前の事をひたすら行うフィリアだったが、何故かこの時だけは、無性に外が気になったのだ。
「フィリア。この門もそれほど長く開いておくことが出来ないなからね……それに、いち早く友達に会いたいだろ」
メイオールは少し困ったような表情で、フィリアの事を見た。そして、その顔を見たフィリアは、
「……それもそうね。行きましょうか」
メイオールに連れられて一緒に、門をくぐろうとした時だった。
確かに呼ばれた気がして振り向いた。しかもあの声はクロノちゃんの……。そう思い、外に向かって走り出そうとした時だった。メイオールが、私の腕を掴んで、門へ押し込もうとしてきたのだ。
「メイオール! ちょっと何するのよ!」
「うるさい。いいから早く中に入れ!」
「ふざけんっな。って……力が……」
「もう遅い。時間はかかりましたが、これで準備は整いましたね」
メイオールは、無理やりフィリアを門の中へと引きずり込むのに対してフィリアは抵抗できずに、少しづつ、その体をそのまま引きずり込まれてしまう。
「くっそ……。メイオール。あんた騙したのね!」
「騙してなんかいませんよ。それに少しうるさいですね」
「なっ……そんなの私には聞か……ない……」
メイオールはフィリアに向けて何かを唱え、それを受けたフィリアはそのまま意識を失い、そのまま力なく門へと引きづり込まれた。そしてフィリアを門に入れた後に、メイオールは門の手前に用意した、門番に声をかけた。
「さて、留守は任せましたよ、アーロン」
「任せるである」
アーロンは、フィリアに敗北したが、メイオールから力を授かり、さらに強くなったのだ。また、その体から禍々しい気が、溢れており、一匹たりとも通さない構えであり、今はこの場所に誰一人もいさせない最強の門番となったのだった。
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