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二度目の地竜戦開幕


 以前、戦った地竜よりも二回りほど大きい地竜は、体を起き上がらせるとぶるりと、体を震わせると、その剛腕を宙に浮かせ、ズドン、ズドン、動くたびに地面を揺るがし、草花を踏み潰しながら、行動を開始した。 

 

 クロノは、その地竜の行動から目を逸らさないで、すぐに地竜から離れるようにして走り出し、クロノを追う地竜はそのまま進行し続け、結果的にクロノの狙い通りの広く全体が見渡せる場所へとおびき寄せられた。

 

 そのクロノの行動は、知能が高い相手ならば、何かしらの警戒をしてくることもありえたが、今回は脳筋(バカ)の地竜なので理想通りの誘導に成功して、広い草原地帯に出ることが出来た。だが、この戦いはここからが本番である。

 

 また、ここまでのクロノは、驚くぐらい冷静に行動できていた。だが、やはり地竜が近づいて来ると共に心臓の鼓動が早くなり続け、呼吸が荒くなってくるのを感じていた。そして戦いも、まだ序盤なので更に強くその手に持つコクウを握りしめてから、地竜の出方を伺う為に、走るのを止め反転する。

 

 クロノが停止したことを確認した地竜は、勢いに任せてそのまま強襲してきたが、クロノはその突進を上手く回避した。また、その回避はある程度の予測をつけて行動したこともあり、地竜からかなりの距離をとる事に成功した。

 

 地竜はそのまま突進し続け、ようやく攻撃に失敗したことに気づくと、土煙を上げながらその巨体を止め、すぐに長く太い尾を振り回し、周辺の草花を地面ごとえぐり取るようにして薙ぎ払ったが、クロノはその行動も、予測していたので、地竜に近づいておらず全くと言っていいほど、危険性は無かった。


 そして地竜は少しずつ息を上げながら、その巨体をゆっくりと反転させ、再度その剛脚に休むことなく力を込めて、力強い咆哮をしながら、突撃してくるのをクロノは、追いつかれないように逃げた。

 

 またクロノと地竜との距離は充分な距離が開いていたのですぐに追いつかれることは、考えにくかったが、地竜の体の大きさを考えると、その後の追撃にも注意をしなければならないので注意を怠ることをせずにクロノは走り続けた。

 

 いくら知能が低くても力は間違いなくクロノよりも強い地竜であり、その巨体から放たれる一撃をまともに食らえば致命傷になりかねない。またクロノが扱う武器は短剣であり、地竜戦に対して有利な遠距離からの攻撃は出来ないので、必然的に攻撃をする際には地竜に近づかなければならない為、攻撃の瞬間を狙うことですら困難である。

 

 疲れるのを待つとしても相手はあれだけ大型なので、その瞬間がいつ起こるか予想がつかない。また地竜は比較的に持続型の攻撃をするので、疲れることを望むことも出来ないのだ。

 

 想定内では俊敏な攻撃がないので奇襲は受けないと思われるが、長期戦も好ましくないとなると、今回取る戦法はあれしかないとクロノは見極めた。


 また、クロノの現在までの戦い方は見方によっては防戦一方にも見えるものだが、ここまでずっと、見極めが終わるまでは、攻撃に出たい気持ちを抑えることに専念していたのだ。

 

 そして待ちに待ったその時がきたと確信したクロノは、地竜に対して真正面に向かい、意を決するのであった。


最後まで読んでいただきありがとうございます! 

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