表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
152/177

ヴィゼン王国の歴史

「ふぅ。少し休憩するとするか」


 特訓を終えたクロノは自室に戻る前に図書室に寄ってヴィゼン王国の歴史に関係する本を借りられるだけ借りて、部屋でそれらを読んでいた。

 

 昨日の夜にクォンの部屋で話をした時に、ヴィゼン王国の歴史について知っているかと問われたが、事前に調べている時間が無かったクロノは、それ以上話をすることが出来なかった為、今度クォン達と話をする時のために、情報を集めている。

 

 とりあえず最初の本を読んで知ったことは、ヴィゼン王国は異なる種族で構成された小国が統合して出来た連合国であることであった。

 

 またその中でも気になったのは統合する前にあった内戦である。

 

 種族ごとに領土と権利を求めて戦いが発生し最後は、各国の疲弊と大国の侵略を恐れた各国王達が和平を選んだのだ。

 

 そしてその平和の象徴に選ばれたのがピュリファであったと書かれているが、なぜピュリファが選ばれたかと言うと、和平に至る前に起きた神サリメナの起こした奇跡のような行動が始まりであった。

 

 神サリメナがこの国を治める為にとった行動は荒れた海を穏やかな海に一変させたことである。

 

 ヴィゼン王国の海は今では豊富な魚介類が獲れる最高の漁場であるが、昔は常に荒れている海であったのだ。各国は海辺の領土を手にしたとしても褒美にすら使えないので、いつしか厄介扱いされていた。

 

 また、ヴィゼン王国の土地は肥沃な土地のため多くの農産物が育ち、周辺は自然の要塞により守られている。そのせいで狙われやすいのは内部の土地であったのだ。

 

 だが、荒れていた海をサリメナは穏やかな海へと変えたことが起点となり、国内の状況を考えた結果国王達は争いを止め話し合いの末、戦争は終わったのだ。

 

 その後はサリメナが選んだピュリファを象徴として君臨させ、危険地帯として空いていた土地にラグナロク第二学園を建て終え、力を与えた者達をここに集めたと記されていた。

 

 クロノが知った情報はここまでだが、どの本も厚みがあるので読むのには一度休憩を挟まないと読めそうにない。

 

 一旦読書を止めてベッドの上にゴロンと仰向けになって目を閉じる。

 

 ヴィゼン王国に来て感じたのは海に近い事以外にも、他種族が多く共存しているということであったが、本を読んだ後に思い浮かんだのは、サリメナの能力である『共存』についてである。

 

 いろいろと関係が絡んでいる先に何が一体あったのか気になっているが、この疑問を解決するよりもまずは、知識をつけなければならないだろう。

だが、頭で思っていても体が特訓の疲労のせいでか拒んでおり、そのまま寝てしまいそうになっていたが、何かが光ったような気がして目を開こうとするよりも先に腹部に何か重たいものが落ちてくる。


「ぐえっ」

「あっ、クロノよ。すまんのじゃ」

 

 いつもの扉から現れたリフィアはその小さい足をクロノのお腹に乗せていたが、すぐにどいてあげるのであった。


「リフィア、久しぶりだね。元気にしてた?」

「ああ、元気にしておったぞ」 

 

 クロノはリフィアに踏まれたあとに眠気がなくなったので、今はちょこんと椅子に座るリフィアと向かい合うように話し合っている。


「クロノよ。こっちに来てみてどうじゃ?」

「そうだね。まだ来てそれほど経っていないけど、使徒のクォンやピュリファとも会えたから順調だと思うよ」

「お、おう。そうか。こちらの使徒にもあっておったのか」

 

 リフィアは少しだけ複雑そうな表情をしたが、クロノは気にすることなく話を続ける。


「そういえば、リフィアはサリメナのことを知っている?」

「知っているも何も同じ神じゃし、ここにクロノが来られるように手配してもらったのもサリメナのおかげじゃ」

 

 どうやらリフィアもサリメナのことを知っているようだし、リフィアの話であれば本に書かれていないことを知れるかもしれない。


「リフィア。そのサリメナについて詳しく教えて」



最後まで読んでいただきありがとうございます! ブックマークをしていただいた方ありがとうございます! 引き続きブックマーク、評価、感想をお待ちしております!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ