孤独な学園生活
俺は聖紫陽花学園という、全寮制の私立学校、そこの中等部に預けられた。
両親はどこにいるのか、知らされていない。
たまに保護者の兄上が面会にやってくる。
学校に預けられるまでは、田舎の屋敷でひっそりと暮らしていた。
まるで何かから隠されるように。
俺は小さい頃は年の離れた兄を、父親だと思い込んでいた。
近所の寺に遊びに行くのは楽しかった。
AIの住職が、珍しい書物の部屋に案内してくれた。
今目の前にあるのは、ダークグレーのブレザーの集団。
その中にいると、何だか世の中全てがつまらなく思える。
村にいたほうが楽しかったんだろうか?
聖紫陽花学園に入学してから一ヶ月。
俺には友達ができなかった。
受験戦争が激しく、クラスの中はピリピリしていた。
寮では一人部屋で、寂しくスマホアプリのゲームをしていた。
友達を見つけるために。
だが同年代の子供たちは飽きっぽく、次々と流行のゲームは変わってしまう。
ある時、髪の生成師という美容院の経営ゲームで流行ってると聞いた。
早速、インストールしようと、髪の生成師で検索。
インストールボタンを押す。
すると、画面に闇の生成師という文字が出てきた。
あれ?
違うじゃん、これ。
何でだよ?
パチモノ?
『このゲームは、ユーザーが悪魔になって、魔物を作るゲームです。作った魔物は売買用、使い魔、城のガード、城の使用人など様々な使い道があります。魔物を作成して、魔物コンテスト、城のデコレーションコンテスト、売り上げ競争など様々なイベントに参加しましょう!!』
と、説明書きが出て、インストールが始まってしまう。
屋根がブルーの白亜の城を背景に、初期設定に進むボタンが出現する。
仕方なく、ゲームをしてみることにした。
初期設定に進み、名前と性別の設定。
夏が好きなので、ナツキにしてみた。
性別は……ネカマなんて嫌だ!!
普通に……。