その後の現実世界
俺の名前は渡辺勝木。
高校2年生だ。
今俺はすごく後悔している。
12月15日は俺がインフルエンザで休んでいた。
その日は、清々しい程の晴れだった。
その日に彼は死んだ。
悲しかった。悔しかった。彼を助けたかった。
俺は増田界が殺した犯人だと思った。
しかし増田は殺した犯人にはならなかった。
彼は自殺した。名目上はそうなっていた。
増田界といじめっ子グループは止めようとしたと言っていたらしい。
絶対違う。
彼らがそんなことするわけない。彼は博之のことを死んで欲しいと言っていた。
クソが。
なんでそうなんだ。なんで死んだんだ。なんで抵抗しなかったんだ。
そんな思いがこみ上げてくる。
明日は彼の葬式だ。
寝よう。考えるのも疲れた。
これが僕のいや僕たちの現実世界にいる最後の日。
12月18日だった。
「ふふふふふ、このタコは面白いなぁ。ウツボを暗殺しようと考えている。9個の脳みそを使って。そうか、後一匹で進化可能なのか。ふふふふふ、このタコはこの世界を動かすかもしれない存在かもなぁ。ふふふふふふふふ。」
不思議な声とともに目を開けるとそこは僕の部屋じゃなかった。
あたり一面白。そんな空間だった。
「おぅ起きたか。起きて早々悪い知らせだ。お前は死んだ。」
「は??」
多分?マークが2つつくぐらい唐突で衝撃的な知らせだった。
「そうかやはり驚くか。ふふふふふふ。」
「驚かない方が異常だと思うが?」
「確かにそうだな。ふふふふふふ。」
「名を名乗らずに変なことを言う方が異常だと思うが?」
この人多分頭イッテル誘拐犯だと思う。
「ふふふ、確かにそうだ。名は神か。強いて言うならそれ以上の存在。趣味は転生者の観察。バツイチ。童貞。身長176センチ。体重300キロ。A型だ。」
彼がそんなことを言った瞬間、空間全体が黒く染まった。
「これは、なんだ?」
「ふふふふふふ。少しは信じてもらえると思ってやったことだが、どうかね?」
「お前が神だと信じればいいのか?」
「まぁそう言うことだな。」
「要件はなんだ?」
「ふふふふふふ、君を転生させようと思うのだが、どうかね?」
転生?博之が言ってた、別世界に生まれ変わることか?
「まぁそういうことだな。」
心が読めるだと!?
「ふふふふふふ、神の私にとってこんなことを造作もない。」
喋んなくてもいいでしょうかぁ?
「別にいいぞ。」
どの世界に転生しさせてくれるの?
「いきなりだな。ふふふふふふ、君の親友がいる世界だ。」
そうか。そうと決まれば。転生するか。
転生します。
「そうか、なら覚悟はいいか?何に転生するかわからないぞ、いいのか?」
「それでいい!」
自分の意思を伝えるため、言葉で伝えた。
「そうか、最後の願いはあるか?」
願いか?なら!
「これから俺が転生する世界に、クラス全員を転生させろ!!!神さま!!!」
「ふふふふふ、わかった。」
神は俺の気持ちがわかっていたような感じだった。
そんなことを思いながら、俺の体は光に包まれていった。
「あのタコ、ウツボを倒したか。ふふふふふふ面白くなりそうだ。」
黒い空間には不気味な笑いが響いていた。