輝く海、咲き乱れた打ち上げ花火 -夏-
6月が過ぎ、7月が来た。
日差しが最も強くなり、うざったい季節。夏。
夏の日差しは嫌いだが、夏のイベントは嫌いじゃない。
特に夏の夜空は大好きだ。
そんなことを考えているが今は期末テストの最中である。
何故か異様に早い。おかげで勉強する暇がなかった。
でも心配はいらない、一夜漬けをしたからな。
紅音は隣で黙々と問題を解いている。
少し前に聞いたが、勉強は得意なほうらしい。
羨ましい限りだ。
おっと、俺も問題を解いていかないと・・・。
そうして、期末テストは終わりを告げた。
後日帰ってきたテストの結果は散々であった。
赤点は回避していたがギリギリだ。
笑うこともできないレベル。
「紅音ー。テストどうだったー?」
「満点だよ?」
「ふぁっ」
なん、だって?
ま、満点だと・・・?
俺じゃ、絶対に取れない点数を取りやがったぁ。くそぉ。
「秋人、残念だったね。これからは私が教えてあげようか?」
「あ、紅音・・・」
女神が、女神がいる・・・。
「お願いしまーす!」
やったぜ。
心中、そんなことを考えてその時間は終わった。
その日から、紅音の家にお邪魔して勉強会をしていた。
なんというか幸せだった。
いつも以上に近くに紅音がいるし、勉強も教えてもらってる。
なんと幸せな時間だろうか・・・。
「ちょい、聞いてる?」
「あ、はい」
ずっとこのままでいたい。
「ねぇ秋人。もうすぐ夏休みだし遊ぶ予定とか立てておこうよ」
ある日、紅音がそんなことを言い出した。
「いいよ。まずどこに行こうか」
「そうだねー、海は絶対に行こう。二人でっ!」
俺は赤面した。
海、だと。もちろん賛成なのだが、いろいろと・・・。いや、そんなことを考えていたらダメだ。
「う、うん。海には行こう」
「後はー・・・。夏祭りとか?」
夏祭り。
俺が一番好きな夏イベントの一つだ。
リア充云々は置いておいて、祭り自体が好きな俺にしては一番テンションが上がる。
最も好きなものと言えば、最後の方に行われる「打ち上げ花火」。
あれほどまでに綺麗なものはないと思う。
「絶対行こう!夏祭り」
「う、うん」
紅音が少し驚きながら了承した。
そして、夏休み初日。
俺たちはデートをしていた。
お互いに部活をしていないので時間はたっぷりある。
俺たちの住む街には名所がたくさんある。
ゲーセンも多いし、アニメグッズ売り場もある。
普段から飽きることはない。
朝から待ち合わせをして、ずっといろんなところを回った。
気づいたら夕方。
「楽しかったぁ」
「そうだね」
お互いに言う。
「明日はウチに来なよ。秋人」
「勉強っすか」
「しっかりやりますよ」
紅音が威圧してくる。
夏休みぐらいゆっくりしていたいのに・・・。
いや、勉強はゆっくりするための課題だと思えばいい。
明日の約束をして、帰路を辿った。
帰ったらすぐに自室のベッドに倒れこむ。
(楽しいけどやっぱり反動がでかいなぁ。)
疲れがどっと来た。
この疲れにはめっぽう弱い。
食欲も湧かなくなるくらいに。
とりあえず、今日はそのまま寝入った。
この時、蝉の声がよく聞こえていた。
次の日俺は、昼頃から紅音の家にいた。
昨日約束した勉強である。
「国語は得意なんだけどなぁ」
紅音がそんなことを言いながら少し悩んでいる。
そう、俺は国語だけ得意なのだ。
その他は知らん。
国語以外いらないんじゃなかろうか。
逆に言ってしまえば、国語ができないとか言ってる奴らの気がしれん。
別にバカにする意味ではないが、俺たちは日本人なのに何故、国語ができない?
国語なんて簡単だと思うのだが、文法は少し難しいがな。
基本的なものは簡単だ。例えば、漢字とか文節、単語、読みとり。
漢字なんて書くだけでいいし、文節単語なんて大体は感覚だ。
読み取りは小説とか読んでたら何とかなる。
まぁいい。
そんなこんなで勉強を終わらせた。
「それじゃぁ、またね」
「うん、また」
俺は帰路を辿った。
流石に、勉強もあるし、里帰りや個人個人のイベントもあるという事で、
毎日会うのはやめておくことにした。
恋人だし、毎日会いたいとは思うが、無理はさせたくない。
だから、今度会う時は夏休みの真ん中。海に行くことを誘った。
楽しみだ。純粋に楽しみだ。
べ、別に、紅音の水着が見たいとか、いやらしい事は考えてない。
まぁ、本当は嘘かもね。
海デート当日。
昼頃だ。
紅音の水着姿は結構よかった。
俺は溺れかけたがな。
俺は、泳げないのだ。
まぁ、泳ぎたくないだけなのだが。
紅音は中学の頃、水泳を習っていたらしく、泳ぎはうまかった。
そして、美しかった。
「楽しかったぁ」
「そうだね」
多分俺はこの日の事を忘れないと思う。
数日後。
「秋人!夏祭り行こう!!」
「う、うん」
やったぜ。
俺から誘おうとしていたのに、まさか紅音からくるとは。
そして、約束をした。
夏祭り当日。
色々なところを回った。
林檎飴とか、射的とか、金魚すくい。
射的だけはうまくいった。
俺は、射的だけは得意なのだ。
そして、時間は過ぎ。
「もうすぐで花火始まるね」
「そうだね」
お互いに心臓がバクバクだと思った。
この時、俺は赤面になっていたと思う。
ピュー
花火が上がる時のあの音が聞こえた。
「紅音」
「え?」
ドーン!
俺は、紅音を呼び、打ち上がった瞬間、キスをした。
少し長めに。
キスを終えると、紅音は赤面だった。
「秋人・・・」
次の花火が打ち上がる瞬間、紅音は俺の耳元で、
「大好きだよ!!」
そう言った。




