6話 運命の歯車が動き出すとき[後編]
俺は、
2人きりの駅のホーム。静けさの中に真剣な愛の告白。それに応えようとする俺。
「俺は、氷島の事が。」
今日会ったばかり、初めての一目惚れ。過去の自分よりも今の自分を大切にするべきだと思うから。
「好きだ。俺も氷島の大切な。」
俺は固まった。それは、黒いローブを着た人物がそこにいたから。
その人物はまるで俺の中の時間が止まったかのように自由に周りを動く。そし氷島の前に立つ手で思いっきりプラットホームに突き落とす。
「通過電車が参ります。ご注意下さい」と機械音がなる。
やばい助けなきゃ。時は既に遅し。通過電車が時速約80kmで氷島の体を撥ねる。
黒いローブを着た人物はニヤっと笑い通り過ぎて行く。
「君とはまた違う世界で会うだろう。」
「うわぁぁぁぁぁ」
「うわぁぁぁぁぁ」
「びっくりしたよ。にぃ。」
「こっちのがびっくりしたわい。」
何故妹が俺の部屋にいるんだよ。
「その反応だとまた悪夢なん?にぃ。」
「ああ、そうだ。」
悪夢と呼ぶのかどうかは分からない。俺は夢戻りと呼んでるが、
。もうこの夢戻りが始まって5年ぐらいになるのかもしれない。
毎度毎度違う名前の一緒の顔の金髪美少女が出てきては俺に好意を向け死んでいく。
だが俺はあんな人物とは面識はない。
そして毎度俺の性格がめちゃくちゃである。
何故だろう。
「そういえば、にぃもう8時10分だよ。」
「なっ、」
時計を見れば8時を過ぎていた。
「なんでもっと早く起こさなかった。」
「起こしたよ。そしたらうーあーとか言ってて起きなかったんじゃん、にぃ。」
あの夢戻りめ。許さん。
急いで制服に着替え下に降りる。
「こは、パンとコーヒーは?」
こはとは俺の妹の名前である。正式には綾東小春。
「にぃが起きて来ないから作ってないよ。」
「なんでだよ。あれないと1日が始まんないじゃん。」
「小春遅れるから学校行くね。鍵だけお願いね。にぃ。」
「人の話聞けや。」
そんな嘆きも聞かず妹は家を後にし部屋に残ったのは着替えかけの俺と飾ってある行方不明の姉さんに写真だけだった。
「もうサボろっかな。」
西暦2017年に存在が確認された新人類ネクストタイプ。普通の人間とは違い身体能力などの個別の能力を持った人間が生まれて来た。それは新たな時代の始まりだった。国の軍事力はネクストタイプで占められた。しかしその裏では、ネクストタイプが起こした犯罪や残虐行為が世間で叩かれ批判を浴びた時代もあったらしい。それを防ぐために出来たのがネクストタイプの専門学校が設立された。しかしそれはまた差別を生むことになった。その為今ではオールドタイプとネクストタイプの共学が主流になっている。ただ受ける教科が別々になることがあるが。
「はぁはぁはぁ。」
最悪だ。学校に着く寸前に自分の愛刀[叢雲]を忘れた事に気づきまた家に戻り始業式から遅刻してしまったというかもうすぐ9:50分を時計が刺していた。
始業式は多分既に終わってる。
もう笑うしかない。
もう2限目が始まってHRが始まってるだろう。
俺は、新しいクラスが分からなかった為生徒会室に向かった。
この学校は生徒会が独立しており生徒全ての事は生徒会が管理している。
「さーせん遅れました。」
「あらあら序列2位が始業式そうそう遅刻とは頂けませんね。」
その声の主は生徒会長である。
「あーさーせん。」
「悪気がなさそうね。いいわ。どうせ遅刻したからクラス聞きに来たんでしょう。でも、私意地悪だから罰を与えるわ。次の剣王祭に参加してこの学校に貢献してもらわないといけませんね。」
「えー、あれ面倒くさいから嫌なんですよ。」
「へーそうなんだ。だったらページSから抜くよ。それでもいいかな?」
「いやー」
ページS。戦闘授業においての最高成績である。戦闘授業とは、プロテクトをつけて人と闘う演習授業。ネクストタイプだけの特別授業である。特別授業があるのは全国で8校でありその中の最強を決めるのが年に2回の剣王祭である。因みに会長は前回大会のベスト4という折り紙付きの強さを誇る。俺は会長と対戦したことないがまぁ強いだろう。それに俺は剣王祭でたことないし。
「ならいいかな??」
「う、うす。」
上手く流されてしまった。
「それと綾東のクラスは2年3組の共学クラスになっている。」
「共学クラスっすか。戦闘特化組じゃないんすか?」
「いやー、どうなんだろう。あはは。」
「共学クラスやなんすけど。あのクラス戦闘授業少ないじゃないですか?」
「あぁ、そのことなら気にすることないよ。今年からは、時間割修正で戦闘授業は特化組と合同になった。それならいいでしょ。」
戦闘特化組。戦闘授業においてのエリート。ページS、ページAの連中しかいないクラスでありほぼ毎日戦闘授業が行われている。つまらない授業しているよりはよっぽど戦闘授業をしていた方がいいし去年はそれなりに楽しかったがただ本気で戦えない分少し残念だが。
「じゃー戦闘特化組は無くなったんすか?」
「いや、無くなった訳ではない。ただ綾東が特化組を外された理由は…特にないな。どうせ戦闘特化組じゃなくても綾東は強い。だからはずされたんじゃないか?」
「はぁーそうっすか。アザーっす。」
外したって言った気がするがまぁいいか。代わる事もないだろうし。
俺はそう思いながら生徒会室を後にする。
教室に向かい廊下を歩く。
各教室ではHRが始まっており担任の自己紹介や生徒の自己紹介が行われている。
てか、HRって何にもホームじゃないし。なんならアウェーじゃん。
教室の前に着き深呼吸をして教室のドアを開ける。
「遅くなりました。」
「始業式そうそう遅刻とは中々度胸があるじゃない。」
「平沢先生。」
平沢先生は去年の俺の担任である。
「まぁいい座れ。あと、そうそう転校生がいるんだった。少し教員室にいるから待っててくれ。呼んでくる。」
はぁー席どこだよ。てか周り見たら戦闘特化組俺しかいないじゃん、知らんやつばっか。
「待たせたな。」
「あのー先生席どこっすか?」
「あぁーえーと席な、うん。綾東の忘れたわ。まぁー遅刻の罰として立っとけ。」
「あそこ空いてますけど。」
「あそこは転校生ちゃんのやつだ。よーし入っていいぞ。」
「あっ、はい。」
「なっ。」
教室の扉が開き現れた少女は金髪の女の子だった。俺が見続ける悪夢で出てくるのとまんま一緒だった。
「えっ。」
彼女もキョトンとした顔をしこちらを見つめていた。
「なんだ綾東知り合いなのか?」
「いや知り合いではないです。多分人違いです。」
「なんだてっきり知り合いだと思ったじゃないか。」
そんなこと思わなくていいし思いたくもない。
「それじゃあ自己紹介お願いしちゃいますよ。」
「はい。私は東京の名国学校から来た東島花凛と言います。一般のオールドタイプですがよろしくお願いします。」
パチパチ。と拍手が起こる。
俺は、未だ信じられなかった。
正に一緒だった。喋り方、顔付きなど背なども一緒だ。
「綾東お前は教員室から机もらってこい。」
「あっ、はい。」
何が起こってるまた夢か?俺は、廊下を歩きながらそんな事を考えていた。
「まぁいいか。関係ないか。ただの偶然でしかないだろう。」
「オメェー。」
教員室に行き机を持ち階段を上る。
「はぁはぁはぁ。」
オメェーすげー重い。机ってこんなに重いっけ。マジ重い。やっと教室が見えた。
「マジ重かったっす。」
「お疲れ〜早く席つけー。一番後ろの隅っこな。東島のの隣だ。仲良くしてやれ。」
人の扱い酷すぎっしょ。
「隣の席だね。よろしくね。ご苦労様。」
「おっ、おう。」
天使の笑みで言われた。何度も見た天使の笑み。リアルで見るとやばい破壊力を誇っている。やばいアニメに出てきそう。疲れ吹っ飛ぶぜ。イェイ。やばい何言ってんだろう。
「綾東くんはオールドそれともネクスト?」
「ネクストだ。」
「じゃー戦闘部入ってるの?」
戦闘部。竜王祭に向け模擬戦を兼ねた部活的な集まり。他の学校では違う言い方とかするが一応この学校は一応戦闘部は盛んな部活である。一応だが、一応な。
「ああ、入ってるがそれがどうしたんだ?」
「この学校って戦闘部が盛んじゃないですか。」
盛んじゃないですが。どうします?
「私、竜王祭見て戦闘部とかすごいなぁーって思ったんです。なんかズバーンとかズキューンとかめっちゃカッコ。」
「おいそこ少し煩いぞ。」
「すいません。」
てか、俺はうるさくなくね?
「えーそれでは、これでHRを終わる。各自解散。」
「それでー綾東くん今から戦闘部って今から練習ってありますか?」
「あぁ、ある。竜王祭近いし。」
「そうですか。見に行っても大丈夫ですか?是非見たいんですが。」
「あぁ、よくギャラリーいるしいいんじゃね。練習は第二演習室だから。じゃーな。」
「待って下さい。私わかんないです。場所が。だから一緒に行きませんか?」
「分かった。なら一緒に行こう。」
そんなすごい可愛い顔されたらこっちが断れないじゃないか。
「あれー浮気かな?あーやーひーがーしーくーん。私を差し置いて」
げっ、会長。
「いや、会長これはなんていうか、新しい転校生がなんか戦闘部の見学したいみたいなんで案内しようかなぁ〜なんて思ったんすけど、」
てか、会長の彼女じゃないから浮気じゃないし。
「君が転校生君の東島さんかな。」
「あっ、はい。よろしくお願いします。」
「私の綾東君を取っちゃダメだぞ。」
「会長元々あなたの彼氏みたいなこと言わないで下さい。」
「綾東君はそんな事言ってるから彼女が出来ないんだぞ。」
「いえ会長。俺には妹がいるので彼女は要らないので。」
「うわー。」
なんだよ。その死んだ目は。2人して酷すぎでしょう。
「綾東君はシスコンなんですね。」
止めて目を死なせながらシスコンって言わないで。認めはするが。
「まぁまぁ、それより第二演習室に行きましょう。演習があと30分で始まるから。」
「綾東くんは今日は演習やってくの?」
「やってきますよ。その為に叢雲取りに帰って遅刻したんですから。」
「叢雲ってなんですか?」
「叢雲ってのは綾東専用のデバイス武器だよ。演習や試合の時に使う謂わば武器だね。プロテクトは、共通だけど武器は自由なんだよ。自由と言っても拳銃や実弾を使う武器は駄目だね。だからその演習室や専用の試合会場で使える公式武装しか銃関係は使えないって欠点があるけど。」
「そうなんですか。なら日本刀とか切れるものは良いんですか?」
「日本刀とかナイフとかは認められてるし綾東の叢雲も日本刀の一種だ。ただ今は殆どの人が能力と合わせた市販のものを使ってるんだがな。まぁ綾東みたいな奴のが最近は珍しい。」
そんな会長の説明を聞いていると第二演習室が見えてきた。
第二演習場。校内一番大きな演習室である。演習ルームを30個完備する戦闘科が存在する学校では多分トップレベルだと思う。その他に第一演習場も存在する。
俺は演習場の入り口でエントリーを済ませる。
「会長は今日もバトらないんですか?」
「私のことはいーの。しつこいのは嫌われるぞ。」
「会長には嫌われたいですけど。」
「酷いよー。綾東くん。そんなに東島さんの事が好きなの。あの時の綾東くんは何処いったの。ねぇ戻ってきてよ綾東くん。」
「会長と綾東くんって付き合ってたんですか。」
「いや付き合ってない。」
「うん、付き合ってる。」
「会長ガセネタとか思わせぶりな事を言わないで下さい。それから集中したいからそろそろ離れてくれると嬉しいんですけど。相手が久しぶりに歯があるやつだから。」
演習場には大きなスクリーンがありそこにエントリーしている相手とランダムで対戦とタイムテーブルが表示される。だいたいエントリーして1時間後になる。
対戦形式としては1対1のタイマンでの戦いとなる。先に相手のプロテクトの胸に付いてる校章を破壊する若くは意識を喪失されば勝ちとなる。しかし格下に負ければ格下と入れ替えになる。今回の相手はページSの序列5。この学校でトップクラスの相手となる。
「ごめんね。それでは頑張って。でも貴方が負ける要素なんてないでしょ。」
「そろそろ切れますよ。会長。」
「揶揄い(からかい)過ぎたわ。謝るわ。それでは頑張ってね。期待してる。」
俺は、更衣室に行きアップ着に着替え叢雲を携える。試合まであと55分。俺は耳にヘッドホンをして目を閉じ集中する。そのまま、アップ場に行きダッシュを軽く10本入れアップを終わらせる。それからまた更衣室に戻り集中し直す。
「演習室5番次の模擬戦は序列2位綾東。そし序列5位桜咲。準備をして下さい。」
俺は演習室にの扉を開く。審判はAIである。
「プロテクトを展開して下さい。」
俺は腕に付けているプロテクトを展開して体がプロテクトに覆われる。
「それでは、演習室にお入り下さい。」
俺は頑丈そうな扉の前に立ち最後の集中をする。全身に神経を尖らせ異常がないか確認する。
「フゥー。」
深呼吸をし扉が開く。
目の前には序列5位の桜咲が待ち構えている。面識はあるが喋ったことは殆どのない相手だしどのような技を使うかは知らないが多分向こうは確実にこちらの戦い方を知っている。そし確実に何か仕掛けてくる。
「それでは只今より序列2位の綾東綾斗対序列5位桜咲咲の模擬戦を開始する。それでは戦闘位置まで来てください。」
相手との距離は大体50m。相手の武装はステッキ型の魔術系の遠距離を得意とすると思われる。
「それでは、いざ尋常に始め。」
桜咲は魔法陣を展開し氷柱型の数本の魔法弾が俺目掛けて飛んでくる。
俺は直ちにに回避行動には入り3つは避けたが他のあとに放たれた3つの魔法弾が回避した方向に飛んでくる。
「ふっ、綾東一刀流。花吹雪。」
俺は叢雲を鞘から引き抜き遠隔斬撃を行う。叢雲から放たれた斬撃は3本の魔法弾にヒットし爆風が起こる。
「勝負あったわね。」
「何でですか?会長まだ分かりませんよ。」
「いや確実に綾東の勝ちだ。全て今の爆風で勝負が決まった。綾東は相当頭が切れる男だ。桜咲程度の奴が勝てる訳が無い。」
正直言って私いや全国レベルの高校生が彼に太刀打ち出来るわけ無い。奴はこの歴史を変えかねないヤツだ。
「綾東一刀流、旋風陣」
自身の周りに風を起こし煙を追い払う。
相手との距離は大体60mぐらいである。演習室は70m×70mの正方形。この位置なら掛からない筈だ。
「貴方が来ないなら私から行かせてもらうわ。」
氷の氷柱が魔法陣から作られる。計3本。
「行け。」
桜咲の合図とともに放たれた氷柱は俺の方に一直線に向かってくる。俺は横にずれ1発の花吹雪を放ち左手で桜咲に向かって人差し指と中指を立て相手と目線を合わせ90度ずらし叢雲でもう一度花吹雪を放つ。
しかしその二つの花吹雪を桜咲は避けるが俺は、間合いを詰めるためだけに桜咲に接近する。桜咲との間合いは、10m十分だ。
「貰ったわ。綾東。」
俺の足元には魔法陣が展開されている。
「設置式起爆魔法火炎陣。爆。」
その合図とともに魔法陣は着替えても起爆し爆風が立ち込める。そのその爆心地にいる綾東は当然普通なら校章が破壊されている筈だが 呆然と立ち尽くしている。しかしそれは徐々に薄れて行き消えた。
「なっ。」
「此処だ。桜咲。」
「やばい。」
それは、目の前桜咲の目の前に綾東はいた。そし叢雲で桜咲が回避行動をする前に校章を真っ二つに破壊する。
「勝負あり、勝者綾東綾斗。」
「会長何で綾東君はあの爆風で倒れなかったんですか?可笑しくないですか?あれ程の爆発食らったら普通なら校章が壊れても可笑しくない筈ですけど。」
観戦室で見ている東島が会長にそう言う。
「そうね。普通なら気絶しても可笑しくない。だけど綾東君はワンクッション入れていたんだ。」
「ワンクッション?」
キョトンとした感じに質問し返す。
「これはあくまでも私の推測だが最初の桜咲の3つ氷柱は綾東君は確実に回避しやすいダミーだと見切っていた。そして本命は次の3つだど確信していた。けどあえて破壊した。いや桜咲の思惑通りと言った所だろう。そし爆風を起こた瞬間に桜咲は設置式の魔法陣を仕掛け次に爆風が晴れたと同時に避けやすい氷柱を放ち隙をわざと桜咲は作ったがそれを読んでいたのが綾東だ。綾東は、魔法陣を張ることは多分試合始まってすぐ確信してたんじゃないかな?だから射程外で花吹雪を打ち桜咲の目線を綾東に向けさせ瞬時に桜咲に向け幻術を相手に意識されないようにかけ桜咲が勝ちを確信した所で現れ校章を破壊するそんな感じかしら綾東君。」
「流石会長見事です。」
「盗み聞きは彼女が出来なくなる原因だぞ。」
「可愛いく言っても可愛くないです。それに盗み聞きではないでしょう。気づいていたら。」
「酷いなぁー。でも言ってることは大体あってたでしょ?」
「ほぼ完璧です。まぁ模擬戦なんて駆け引きが重要視されますからね。相手がどのような戦略を考えどのような技を出すかを先読みしてその技を誘い込ませる。それがこのゲームの本質。」
「いやいやそこまで考えられ確実にこなすのは綾東君だけだから。」
「会長もうそろそろ帰っていいっすか?」
会長の模擬戦は流石序列1位と言った所だ。相手は序列15位だったが開始早々瞬殺。相手が間合いを詰めた所をカウンターする。会長の得意技である。相手もカウンターを意識はしていただろうがそれも虚しく防ぎ切れず校章を破壊されて試合終了。
「私はもう一戦やって行くんだけどやらないの?」
「今日は、妹ももう家にいる筈なんで帰ります。」
「シスコン。」
2人同時に言わないでくれ。
「東島さんはまだいるの?」
「いやー私も帰らせて貰います。本当はもっと見てきたいんですけど引っ越しの段ボールばこが山積みでさっさと片付けたいんで。」
「えー、私1人かぁー。まぁ、まだ生徒会の仕事あるし。じゃあまた明日ね。」
「お疲れ様でーす。」
「あっ、お疲れ様です。会長。」
「うん、お疲れ気をつけて。」
俺は東島と駅に向かう。
「綾東さんって強いんですね。びっくりしました。」
「いやまだまだだよ。ーこの世界にはもっと強い奴がいるから。」
「へーそうなんですか。」
駅の改札をくぐりホームに着く。
「人が全然いませんね。」
「まぁ時間帯が時間帯だからな。だから人がいなく」
俺は誰かに肩を叩かれ振り返る。
「なっ。」
それは、悪夢に出てくる黒いローブの人物だった。やばいと判断した俺は叫んだ。
「東島逃げろ。急げ。」
「えっ。」
やばい殺される。確実に殺される。
予想は当たっていた。東島は、動かなかった。いや動けなかったかもしれない。
黒いローブの人物はゆっくりと東島に近づきプラットホームに突き落とす。
「やめぇろー。」
動ける、いや動いた。走り出した。東島を死なせない為に。だがそれはほぼ絶望的だった。
伸ばした手は東島には届かず俺も流されプラットホームに落ちていく。左からは通過電車が来る。キーと音を立てブレーキをかけるが間に合わず俺の意識は飛んだ。
意識が覚醒した。
身体が重く怠い。そし、目を開けると薄暗い路地に真っ青な空が目に映る。
明日からゴールデンウィークですね。僕の誕生日が5月3日なんですけど毎年休みという少し自慢出来る誕生日なんです。
さて6話如何だったでしょう?大方の読書の予想を裏切った筈です。すいません。ただしこれから二章で大きく物語が動いていきます。夢戻りの正体や黒いローブの人物。東島との関係などを書いていこうと思います。ですのでこれからも応援よろしくお願いします。
謝辞一章を完結出来たのは読者様のお陰で御座います。何人ほど読んでくださってるかは分かりませんがありがとう御座います。ユニークが300超えてビビった。これから二章もよろしくお願いします。