少女と少年
あらすじに書きました通り、とあるライトノベルからのインスピレーション&オマージュですが、
「これは二次創作ですわ」
と思われましたらお申し付けください。
即刻削除します。
ある日から人は歳を取らなくなった。
その日から人は子を授からなくなった。
この日から人は世界から姿を消し始めた。
「ところで少年よ」
「…なんだい少女よ」
「私達はどこに向かっているんだい?」
お世辞にも乗り心地がいいとは言えない、ガタガタと揺れる原付の荷台に跨って、少女は運転手に問いかけた。
「さっきの看板には、玉田村って書いてあった。」
「どこだいそこは?村なんて聞いたことがないぜ?」
「知らないよ、僕だってナビじゃないんだ。」
「あ〜暑い。私このままだと干からびちゃう。」
「それこそ知らないよ。それに元はと言えば君が、寒いから南に行こうって言い出したんじゃないか。」
「だって、南に向かってる間に夏になるとは思わなかったんだもん。それにカブちゃんも途中で故障しちゃうし。」
「カブちゃんは悪く無いよ。むしろこれだけ雑に扱って、まだ動いてるのが不思議なくらい。」
「いえーい、カブちゃん働き者ー。少年とは大違いだー」
「…よく言うよ。」
そんな、たわいもない話をしながら、二人は旅をする。