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第十一章77 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第8試合】37/理想像対決7

 とりあえず、美本を作って欲しいと言うことになり、【ネリー】と【ローレッタ】も自分達の思う、【フェアリア像】を表現して見る事にした。

 【呪具】を利用し、【呪いの力】や【霊の力】などをフル活用して、表現して見たが、

「駄目・・・

 そんなんじゃ駄目。

 全然、駄目。

 何で、表現出来ないの?」

「違う・・・

 全然違う。

 そんなの彼女じゃない。

 二番目でもない」

 などと言って、二人は納得出来なかった。

 そもそも、どんな天才芸術家であろうとも寸分違わぬ100パーセント理想型の【作品】を作れるか?と言われてYESと答える芸術家はいない。

 もし居るとすれば、それは偽物である。

 どんな作品には少なからず、納得の行かない部分というものはある。

 それを踏まえて、ある程度許容出来る部分が多く含んでいる事でこれを、

「100パーセントの作品です」

 と表現しているのに過ぎない。

 それが例え、

「120パーセントの出来です」

 とか、

「1000パーセント、1億パーセントの作品です」

 と答えたとしても、どこかは納得行って居ない部分が存在する。

 【芸術】とはそう言うものである。

 【完全に100パーセント】納得した芸術家はそこで終わっている。

 納得が行かない部分を持って居るからこそ、次の作品を作るのだ。

 少しでも100パーセントに近い自分に取っての傑作を作るために。

 だから、どう転がっても芸術家でも何でもない、【ネリー】と【ローレッタ】が理想を完全体現した【理想像】を作れる訳が無い。

 作り出したものは必ず、ケチがつけられる。

 自分で自分に駄目だしをする。

 そういう物である。

 完全な物を求めたら、時間は例え永久にあったとしてもいつまでも完成出来ない。

 出来る事はない。

 だが、それを追い求めて作り続ける事は創作者にとっては史上の喜びでもある。

 【ネリー】と【ローレッタ】はそれを感じていたのだった。

 こうして、【呪いチーム】も【理想像】を完成させる事は出来なかったのであるが、やはり、最も楽しく、充実した【勝負】としてはこの勝負を筆頭としていたのであった。


 とここまでを【覇王杯/オーバーロード・カップ】の第8試合として中継してきたが、残念ながら時間切れとなる。

 結果としては、この順転参戦方式の16チームから優勝者が出ることはない。

 逆転参戦方式から【覇王】が出るため、試合中継はどれも途中までとさせていただいた次第である。

 第1回戦の8つの試合でどちらのチームが勝利したかは皆様のご想像にお任せするとする。

 順転参戦方式の中継は以上となる。

 以降、逆転参戦方式の中継に移る。

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