第十一章76 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第8試合】36/理想像対決6
【ネリー】と【ローレッタ】の【フェアリア】への盲信ぶりは狂気じみて居た。
それこそ殺人もいとわないと言った感じの狂信ぶりだった。
それが【フェアリア】の不幸につながっていると言う事実を知らない彼女達は【フェアリア】のためなら何でもやると言った感じで行動している。
そんな彼女達が、自分達の【理想像】、つまり、【フェアリア】を【表現】する勝負をする。
それ以上に彼女達を熱くさせる勝負はこの試合の100近くの勝負で他に類を見なかった。
【ネリー】と【ローレッタ】は他のメンバーに、意見を求める。
【ハーピー】は、
『【フェアリア】とはどういった人間なのですか?』
と尋ねた。
【ネリー】は、
「女神・・・と言う表現でも言い足りないくらい神々しいお方。
何事も例えがたい存在。
美の結晶。
見ると幸せになれる。
私達の救世主。
最高の存在。
究極の美。
偉大なる存在。
最高傑作を生み出す存在。
人生の全て。
希望の光。
奇跡の体現者。
夢の存在。
どれでも好きな物で理解して」
と言った。
【ハーピー】は、
『・・・って言われても・・・』
と戸惑った。
【ネリー】と【ローレッタ】の【フェアリア】への盲信ぶりは理解していたつもりだったが、その考えがまだ甘いと【ハーピー】はもちろん、他のメンバーも再認識したのだった。
【クリス】は、
「とりあえず、僕が似顔絵を描くよ。
なんか特徴を言ってくれないかな?」
と言ってきた。
だが、【クリス】が【ネリー】と【ローレッタ】が納得する似顔絵を描くことは出来なかったのだった。
やはり、【呪いチーム】も理想とする存在の具現化に苦戦していたのだった。




