第十一章71 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第8試合】31/理想像対決1
決着がつくまでに【師弟チーム】と【呪いチーム】は100近くの勝負を繰り広げた。
その勝負の中で、どれが一番の戦いか?
それを問うた時、結果としてはその勝負は引き分けに終わったのだが、双方のチームが共通して答えたのが、【理想像対決】である。
これはどんな勝負か?
それは、【師弟チーム】が会いたいと思っている、【シェリア・プルスフィリアチーム】のチームリーダーである【24作のバーチャルキャラクター(Vチューバーとしてのアバター)】と【13作の絡繰りジオラマ】を作り【子供】を化身として顕現させる【6体目の御神体】と【本】を化身として顕現させる【5体目の怨魔体】と契約した【金髪の少女/クリエ・イター(ハンドルネーム)】、本名【シェリア・プルスフィリア】(【白金髪ティシェルリア姫/ティシェル姫】の半身)、
【呪いチーム】が恩義を感じている【24作の彫刻絵画(彫刻と絵画を合わせた物)】と【13作の色んな要素の詰まったミックスボックス(新アート)】を作り(他にも【ドーム切り絵】と言う【ドーム型の器】の中に切り絵を入れたりする新芸術や【ミラーアート】と言う鏡をいくつも合わせて、初めてその姿が現れる新芸術など様々な【合成芸術】を生み出している)【人形】を化身として顕現させる【7体目の御神体】と【ぬいぐるみ】を化身として顕現させる【6体目の怨魔体】と契約した【銀髪の少女/フェアリア・トゥルーヴェリティ】(【白金髪ティシェルリア姫/ティシェル姫】の半身)改め、【銀髪の少女/フェアリア・トゥルーヴェリティリア】、
この2名に対する、双方のチームの熱い思いを競う対決となっている。
ただし、【師弟チーム】と【シェリア】とはほとんど面識が無く、年末に【佳乃】と【翠詠】が彼女にチラッと会った程度である。
【呪いチーム】に至っては、【フェアリア】と直接会ったことが無い。
ただ、【フェアリア】の作品を通して彼女に対して勝手に大恩を感じているというだけである。
つまり、両チームにとって、【シェリア】と【フェアリア】は遠くに居る存在でほぼ、他人である。
にも関わらず、両チームは【シェリア】と【フェアリア】を強く推している。
つまり、【推し活】としての思いの強さを比べる対決がこの【理想像対決】である。
結果としては、双方のチームが理想の【シェリア像】、理想の【フェアリア像】を作る桃事になったのだが、双方のチームとも作った【理想像】に納得が行かず、
「これはシェリア様じゃない」
「これは女神様ではない」
「こんなのフェアリア様であるものか」
「このフェアリア様は違う」
などと言って、完成しなかった。
そのため引き分けとなったのである。
引き分けにはなったが、両チームにとって最も充実した勝負なので少しそのシーンを覗いて見よう。