第十一章63 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第8試合】23/攻守交代シチュエーションサドンデスバトル
【師弟チーム】対【呪いチーム】の戦いは白熱を続けている。
この両チームの戦いにあって他の試合に無い大きな特徴というものがある。
それは、他の試合は割と、片方のチームがルールをこうこうこうだと決めたら、それに従うか、ルールを相手チームが一部改変してそのルールでやろうと言う展開になっている。
それに対して、この両チームは勝ちを求める気持ちが強すぎるのか、相手チームが決めたルールに対していちゃもんをつけてなかなかルールが定まらないと言う特徴があった。
片方のチームがこうだと提案した事に対して、
「ちょっとまって。
それって不公平じゃない?」
とか、
「納得が行かない。
それは嫌だ」
とか、
「そっちに有利な様な気がする。
もうちょっとルールを変更して欲しい」
とか、
「イカサマしとるんじゃないだろうな?
あやしいな・・・疑わしきは罰せよじゃ」
などと言って素直にルールが決まらず、ルールを決めるだけで長引いてしまう。
そんな訳で毎回揉めてようやく決まると言う形になる。
その中でも最長時間揉めたのが、今回の【攻守交代シチュエーションサドンデスバトル】のルールだった。
この勝負は、片方のチームが【シチュエーション】と【ミッション】を用意して、もう片方のチームが、ミッションに失敗したらそっちのチームが負けというルールだった。
その時は、【シチュエーションサドンデスバトル】と言うタイトルで、どっちが【シチュエーション】と【ミッション】を用意するかで揉めに揉めたのだ。
結局、挑戦する【キャラクター】を失敗させれば勝ちなので、どうしても先に【シチュエーション】と【ミッション】を用意出来るチームの方が有利になってしまう。
そこでどっちが先にやるかでお互い自分達のチームがやると言う事を主張しあって一歩も引かなかった。
そこで、3日間もの長い協議の末、元々の【シチュエーションサドンデスバトル】と言うタイトルの頭に、【攻守交代】と言う言葉を付けて、【シチュエーション】と【ミッション】を用意する側と挑戦する【キャラクター】を用意する側の両方のターンを合わせて1ターンとして、考えると言うことに落ち着いたのだった。
なので、どちらが先にやっても後にやっても関係なくなったのだが、それでも先にやるのはどっちだ?で揉めた。
なぜならば、先に【シチュエーション】と【ミッション】を用意して失敗させた方が気持ち的に有利だからである。
それも交互に先にやる方を変えてやり、一番最初はじゃんけんで勝った方が先に【シチュエーション】と【ミッション】を用意する側になると言う事で落ち着いた。
この様にお互い引かないのである。
だから、1戦1戦が他のチームより、長めになるのである。