第十一章58 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第8試合】18/キャラクターブロックカード対決
【師弟チーム】対【呪いチーム】の戦いは初戦の【六道脱出勝負】から始まり、他の試合同様に様々な【勝負】が行われていた。
【六道脱出勝負】は6つの【架空世界】から相手チームより先に脱出する勝負なので、バラエティーに飛んだ展開になるが、これだけを紹介していると時間切れになってしまうので、次の勝負の紹介に移りたいと思う。
初戦は、【呪いチーム】が考えたので第2戦は【師弟チーム】がバトルのルールを考える事になった。
第2戦として選んだのは【キャラクターブロックカード対決】だ。
これは、【翠詠】が考えたルールとなっている。
簡単に言えば、やたら長い【ブロック崩し的なカードを使ったボードゲーム対決】となる。
簡単に表現すれば、陣地が左右に分かれて縦5枚横20枚の合計100枚ずつの【キャラクターカード】を配置する。
そのため、かなり横長な【ボードゲーム】となっている。
【キャラクターカード】には自分達の【世界観】で作り出した【キャラクター】の【情報】が書いてある。
そして、ブロック崩しの要領で、交互に玉を移動させて、ボードゲームの中央にある5枚のカードの1枚を当て、それを開く。
そのカードの情報を元に、敵陣のカードに玉を移動させ、最初に当てた自陣のカードの異能で、敵陣のカードを倒すことが出来るかどうかをテーブルトークで表現する。
倒すことが可能であれば、そのカードはボードから排除する。
倒すことが不可能ならば、そのカードはそのままとする。
カードを排除するしないに関わらず、また、自陣に玉を戻し、ボードの中央にある5枚のカードの中から、敵チームがどれに当てるか決める。
それは、敵陣の先ほど当たったカードの【キャラクター】の異能で、逆に倒すことが出来るか敵側がテーブルトークで表現する。
同じように倒すことが可能であれば、そのカードはボードから排除する。
倒すことが不可能ならば、そのカードはそのままとする。
もしカードを取り除けば、その隣にあるカードを選択する事が出来る。
そうやって、相手の陣地にあるカードを削って行き、先に、相手の100枚の【キャラクターカード】を全て取り除いた【チーム】が勝ちと言う勝負である。
相手の【キャラクターカード】を取り除くには相手を納得させる必要があり、相手チームが納得出来なかったら、【カード】は取り除けない。
なので、最初の内は、順調に【キャラクターカード】を双方のチームが取り除いて行き、【ブロック崩し】の様にカードが減って行ったのだが、ある時を境に、双方のチームが、
「いや、それは納得出来ない」
「いいえ、倒せないと思う」
と言う様に反対意見が続出した。
そのため、お互いが譲らない事になり、結果として、【覇王杯/オーバーロード・カップ】の順転参戦方式で唯一の【無効結果試合】となったのだった。
息抜き目的のための【無効試合】は、他の試合でもあったが、【勝負】を決める戦いで双方納得が行かず、最終的に【無効試合】となったのはこの試合だけである。
やはり、明るいイメージの【師弟チーム】と鬱屈した部分の多い【呪いチーム】は相性が悪い勝負と言えるだろう。
結果として、【佳乃】は、
「変なルール作らないでよ、お爺ちゃん」
と言い、【翠詠】は、
「そうかのぅ。
おもしろいと思ったんじゃがなぁ」
と少々残念な感じに思った。