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第十一章55 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第8試合】15/恩人【ネリー】&【ローレッタ】×【フェアリア】2

 【ネリー】と【ローレッタ】は殺されそうになった時、いつも逃げ込む場所があった。

 それは、古びた大きな倉庫である。

 そこには、【大きな絵画】が飾ってあった。

 それを創作し、設置したのが、【フェアリア】である。

 【大きな絵画】の【タイトル】は、【聖地/サンクチュアリ】だった。

 その絵を見ると、不思議と毒気を抜かれ、暴力的な事が酷く馬鹿馬鹿しいものに思えてくる。

 そのため、彼女達がここへ逃げ込むと、彼女達を殺そうと思って追いかけて来た暴漢達も、

「えっと・・・」

「やめた・・・」

「暴力・・・は・・・いけない・・・よな・・・」

「ごめん・・・」

 と言う様に考えを改めるのだ。

 どんなに悪い奴でもその倉庫の絵画の前だけでは、暴力をふるいたくなくなる。

 暴力をしようとすると酷く気持ち悪くなる。

 そんな気持ちにさせるのだ。

 だから、売りさばけば、破格の値が付くのはほぼ確実だと思えるその【巨大絵画】を誰も盗ろうとはしない。

 それどころか、他で悪事を働いてきた【ギャング】のボスが、懺悔をしにこの古びた倉庫にやってくる。

 中には改心して牧師になった者さえいる。

 そんな場所だった。

 だから、この倉庫は何度も取り壊しの話が出ていたのだが、それを反対する者が後を絶たず、結果として、残される事が多かった。

 まさに、タイトルとして付けられている【聖地/サンクチュアリ】を体現している様な不思議な力がその【絵】にはあった。

 そう。

 【フェアリア】には【アート作品】の【タイトル】に【大いなる意味】を持たせる才能があったのである。

 【ネリー】と【ローレッタ】がその倉庫へ逃げ込んだのは偶然である。

 だが、紛れもなく、彼女達はその【絵】に何度も命を救われていたのである。

 また、【亡霊】や【呪い】もその【絵】の前では大人しくなると言う。

 だから、【ネリー】と【ローレッタ】にとって、【フェアリア】とは会ったことが無くても絶対的な【恩人】だった。

 人に忌み嫌われる彼女達だったが、不思議と【フェアリア】の【作品】が置いてある場所ではどこでも安心し、生活する事が出来た。

 いつしか彼女の残した作品を探す様になり、その分だけ彼女達の居場所が増えて言ったのである。

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