第十一章53 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第8試合】13/憧れ【佳乃】&【翠詠】×【シェリア】4
憧れの【クリエ・イター】を楽しませるために、【佳乃】は頭をフル回転させて、考えた。
(彼女は特別なの・・・
彼女がおもしろいと思える恋愛物。
・・・普通のやつじゃ駄目。
何がある・・・何かとびっきり変わったやつを・・・
とにかく数撃ちゃ当たるで・・・変なのをいっぱい・・・)
とテンパって、彼女はあろう事か、彼女自身も変な作品と思っている作品を列挙した。
まずは、【恋愛漫画】の【タイトル】は、
(01)【僕のハートはストライプ】、
(02)【君はまだアオい】、
(03)【黙って俺についてこい】、
(04)【天下無双の拳】、
(05)【3歩下がって見守ります】、
【恋愛ライトノベル】の【タイトル】は、
(06)【主導権はこっちだ】、
(07)【お前のことは豚と呼ぶ】、
(08)【ラブ&ウォー】、
(09)【わんこも喰えない恋人喧嘩】、
(10)【フィクションに恋をして・・・】、
などである。
これは前にも述べているのだが例えば、【僕のハートはストライプ】だ。
この作品の内容、つまり【出逢い】の参考にする部分は、以下の様になっている。
物語は男性主人公視点と女性主人公視点の2つが存在している。
男性目線で見た女性と女性目線で見た男性が描かれているのだが、かなり情報が偏っている。
そもそも、この男性主人公と女性主人公が付き合う事になった理由が、【ラッキースケベ】により、男性主人公が女性主人公のスカートの中に顔を突っ込み、そこから、【ストライプ柄のパンティー】を見て、そこから恋に発展するという強引な展開なのである。
男性主人公は恋愛に全く興味がない、女性主人公は学校一の美人、という設定になっているのだが、男性主人公は、女性主人公の下着を見て、興奮し、恋心をいただいていくと言う無茶苦茶な展開になっている。
一方、女性主人公は、コンプレックスに思っていた下半身を褒めてくれてドキドキすると言う現実とかなりズレのある設定となっているが、それを作中で違和感を持たない様に強引にご都合主義で調節している。
そう。
【シェリア】が昨年、とんちんかんな【ラブレッスン】をしていた【元凶】こそ、この【佳乃】が紹介した作品達なのである。
根が真面目な【シェリア】がこれらが【日本の恋愛】のマストだと思って、的外れな練習を開始するのだが、それは前述しているのでここでは割愛させていただく。
【佳乃】と【翠詠】は、その時の恥ずかしい出逢いを黒歴史としており、【シェリア】本人と再会して、当時の事を謝りたいと思っているのである。
滑稽な話ではあるが、【佳乃】と【翠詠】は大まじめである。




