第十一章24 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第7試合】21/【宇宙人魚チーム】VS【栄光主】1
それでは、それぞれのチームと【栄光主】達の戦いを少しずつ覗いてみよう。
まずは、【宇宙人魚チーム】と【栄光主】20名プラス1名(【新八】)の戦いについてだ。
【新八】は後ろに控えているため、ヤジは飛ばすが、実際に自分で戦おうとはしない。
20名の【栄光主】に戦わせていると言う立場となっている。
序盤は1対1での勝負となっている。
【宇宙人魚チーム】からは、【四大精霊】/【水のウンディーネ、風のシルフ、火のサラマンダー、土のノーム】を使役する力を持ったシャーマンオーク(豚の様な鼻を持つ好戦的な亜人のシャーマン)3兄弟の長男【アインス/1】が出た。
使う作品は、【ラーエル】が考えた【トーラス】である。
【トーラス】は【牡牛座】を元にしている。
もう1つ、【朧】の考えた、【丑】と【牛被り】しているがその辺りは棲み分けがきっちりとされている。
同じ様に【羊被り】である【ラーエル】が考えた【エアリーズ】と【朧】の考えた【未】も棲み分けがされていると言う事を付け加えておく。
【トーラス】は、【牛肉料理】と言う形を取っているが、実際には最終形は【牛肉料理】の様に見せているだけであり、本質的には全く別の物となっている。
【トーラス】の話に入る前に基本的な法則として、この【料理】の概念は【生態系のサイクル】を考えられている。
【生態系サイクル】と言えば、空気、土、水などの自然環境と植物や動物など、その自然環境の中ですんでいる生き物達が、太陽の光エネルギーを命の源として、食べたり食べられたり、それを育てるための栄養になったりして、お互いにかかわりあっている事を指し、その自然界の物質とその循環をまとめての事を言っている。
ここで言う【料理】とはその【生態系サイクル】を全て指しての事であり、
例えば、
植物を草食動物が食べる。
草食動物を肉食動物が食べる。
肉食動物の死骸や分などがミミズなどにより分解され土の養分になる。
土の養分を吸収して植物が育つ。
と言った様なサイクルをまとめて1つとして表現している。
つまり、1つの世界観を構成する全てを表現した物であり、そこには1つの【物語】が存在するのである。
物語をこのサイクルで表現すれば、
弱者を強者がいたぶる。
強者を求める。
弱者の中から勇者が現れ、強者を倒す。
勇者がやがて強者となる。
と言うサイクルが出来上がるのである。
こうしたものを表現しているのが、【宇宙人魚チーム】の【料理】と表現しているものである。
【料理】ではあるが、その1つ1つに物語があるのはそのためである。
そこで【トーラス】の話に戻る。
前に述べた事を繰り返すがこれは【牛肉料理】に見える仕上がりだが中味は全く違う別物である。