第十一章13 【覇王杯/オーバーロード・カップ1回戦/第7試合】10/バトル方式3
【新八】はどうあがいても【NNJ/ネームレス・ナンバー・ジャスティス/無名番号正義】にはなれない。
【NNJ】特有の【能力】である【真核名絶対技】と言うものが使えないのだ。
【真核名絶対技】とは【真核名】と呼ばれる【存在】の生活として使っている名前でも亡くなった時に付けられる戒名でも無く存在そのものについている存在を示す【本当の名前】をあぶり出す事により、対象者の生殺与奪はもちろん、封印や傀儡として操る事も出来るとされるものを【絶対技】と呼び、総称が【真核名絶対技】と呼ばれる【NNJ】だけの【技術】である。
これは一子相伝であり、欲にまみれた者は継承出来ない絶対のものである。
【絶対技】の取得が出来ないイコール正義の味方として最強の実力者にはなれないと言う事実があるのである。
欲のある者は、【NNJ】の技術を継承する権利を持たないしそもそも技術も無い。
【心技体】揃った者だけがそれを許される。
だったら、偽物でも表向き、ちやほやされる【栄光主】でのし上がってやる。
そんな野望を抱いていた。
だから、そのためには、【覇王】などを踏み台としてやりたい放題も肯定される。
そう思って居る。
完全に【正義】と言うのを履き違えているのだ。
【真の正義】とは、【他者に認めてもらえるもの】では無い。
自分が【本当の正義の行いをやったと納得出来るもの】である。
そのため、【正義】とは100名居れば100通りあり、
1000名居れば1000通りあるとなる。
そこでそれらを客観的に見て、上等な【精神に基づくもの】だと認められれば自ずと位も上がってくるのである。
【NNJ】の真似事をしている【栄光主】でも、少なくとも、
【第0席】の【殿堂位席】、
【第1席】から【第9席】の【主体位席】、
【第10席】から【第20席】の【次体位席】、
くらいまではそれくらい自覚して居てもらわないと【栄光主】としての【質】を問われかねないのである。
だから、上の位の者ほど、【NNJ】に習おうとして、己の行動を戒める。
そうやって【栄光主】としてのルールは一応、守られてきている。
偽物でも本物に近づく事は出来る。
そう信じて、行動しているのだ。
だが、組織と言うものは大きくなればなるほど、末端までその精神は伝わりにくい。
下位になればなるほど、欲にまみれ、【第千席】になれば、【新八】の様な愚かな考えを持つ者は大勢居た。
そう言った輩は大概、淘汰されて来る世界であるのだが、哀れな彼らはそれに気づかない。
だからこそ、この【覇王杯/オーバーロード・カップ】に乱入する様な蛮行をするのである。
【覇王】を目指しているからと言って、彼ら彼女らはまだ何もしていない。
何もしていない者を罰するのは間違って居る。
そこが解って居ないからこそ、かれらは【NNJ】には無い1001名目と同じ意味とされる【第千席】にいつまでも居座っているのである。
心ある者には【愚者の愚行】と映っていても、それが解らぬ【小人】/【新八】は、
「1日だけ時間をやるよ。
それぞれのチームで、俺等の誰とやんのか決めろ。
逃げる事は許さねぇ。
せいぜい対策を練るんだな」
と言った。
おいおいおい、お前のやっている事は正義の味方の行動じゃない。
お前のやっている事は【チンピラ】が因縁をふっかけている行為と同じだ。
それが解らないのか?
とツッコみたくなるが、それは【新八】達の耳には届かない。
【覇王候補】達をどうぶっ殺してやるか?
それを楽しみにしている様だ。
言葉の通じない、【独りよがり】の正義の押しつけ。
それが今、行われようとしていたのだった。