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周囲が狂い過ぎてて主人公が自分の異常性にも気付いてない

「..........................」


部屋へと戻る。そして部屋に入り、鍵を閉めた。


「..........................ふふふ」


笑みがこぼれ落ちる。


「ふふ、あは、あははっははははははははははははは!!!!」


銀城友人は確かに笑っていた。いや、嗤っていたのだ。


「あのデレナの表情!全てを失って行き場を失った子羊のような精気の抜けた間抜けな顔!!!ふふ、ふふふ........だめだ、堪えないと。銀城友人、まだ仮面を脱ぐな........僕は正常。正常だ。」


歪んだ笑みを見せる。だが笑いに耐えられず、壁に背をつけ床へと身体を沈める。


「ぷっふ.........だめだ、思い出しただけでも笑いが堪えられない。くく、あはははっはは」


そして目線を前へと向けると鏡に写る自分の姿が目に入った。


(.....................あぁ、僕って奴はつくづくと本当の主人公にはなれないんだな。)


鏡に写る自分の姿は悪人のように醜悪で歪に写る。

「復讐して気持ちよくならないなんて........全くの嘘じゃないか。」


あぁ、快感にも等しい。絶頂してしまいそうだ。


「..................もっと見たい。」


幼馴染が曇った姿が目に焼き付いて離れない。


(デレナを勝ち確ヒロインにする.......幼馴染は必ず幸せにならなければならない。それはどんな形で在ろうとも。)


だからこそ、彼女を拒絶し曇らさなければ。


(そもそも中身がこのような腐った男では釘宮デレナには相応しくないんだ。)


彼女にとっても他の男を選ぶ事こそが最良な選択なんだと思っている。


「銀城友人は善人じゃあない。」


ゆっくりと立ち上がり、窓から幼馴染の家がある方角へと視線を向ける。


「_______________大丈夫、君はきっと幸せになれる。」

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