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闇堕ちの序章かも知れない......

「____________おかえり、友人。」


思わず身体が跳ねてしまった。そして声の主が誰なのかを確認する為にソファーの方へと視線を向けると彼女が座っていた。


「..........デレナ」


幼馴染の釘宮デレナがとびきりの笑顔を浮かべないがら此方を見つめている。目の下には深い隈が出来ていた。


「鍵を変えたんだけどな........どうやって入ったの?」

「窓ガラス、弁償する。」


ガムテープが張られた窓扉。上手い具合に割られている。空き巣の手口で侵入したのか。


「............友人、私何かしたかな?」


敢えて言うなら、不法侵入かな。


「何もしてないよ。」

「何もしてないなんて嘘。最近、私に冷たいじゃない。前みたいに接してくれなくなった。」


計画以上に奇行が過ぎたからね。


「.........何時までも昔のように仲良しな幼馴染のままではいられないよ。勿論、世間話程度ならするさ。だけど、君が面林最照が好きだから距離を置こうと先に言ったんだろ。なら____________________言葉には責任を持てよ、デレナ。」

強めに言葉をぶつける。逃げたり臆病でいると付け上がらせる。ならばこれから先は圧を掛けていく。一切の妥協もしない。


(僕はこれから先、デレナに強く当たる。)


だけどそれでいい。銀城ファンクラブなる存在が引っ掛かるが、計画はもう大詰めまで来ている。


「い、意味わかんない........べ、別に私はモテルの事なんか好きじゃないし!!て言うか今のツンデレに聞こえるかもだけど、私ツンデレじゃないから!!」


そしてデレナはツインテールをほどき、髪をバサリと広げる。


「この髪型だって好きでしてた訳じゃない!友人がツインテのキャラが可愛いって言ったからずっとしてただけで.................全部友人に見て貰う為だけにしてたんだよ?」


涙を流しながら想いを伝えてくるデレナ。


「ねぇ、私を見てよ.......もっと構ってよ.........私が好きなのはアンタだってこと...........気付いてよ.......」


デレナの元へと寄り、目線を合わせるようにしゃがむ。



「________________気付けるかよ、バーカ。」



いつも通りのにこにこした表面上の笑顔で真っ直ぐとそう伝える。


「用事が済んだのなら出ていって欲しいかな。昨日今日で疲れてるんだ。君のエゴに付き合う程、僕もお人好しじゃない。窓の件は...........水に流すよ。だけど、次にやったらおじさんとおばさんに報告させて貰うから。」


涙が頬を伝い固まっているが、関係ない。


「それと、一応君にも伝えて置くけど僕にも好きな人が出来たんだ。」


ピクリと眉が動く彼女に対し続けて言葉を紡ぐ。



「君とはもう一緒にいられない_________________距離をとって欲しい。」



絶望。これ程までにその言葉を体現した表情を見た事がない。


「さぁ、家に帰ってくれ。」


彼女を立ち上がらせ、玄関まで無理矢理と歩かせる。


「そんな......ゆうじが......私に......こんなこと言う筈がない.......夢.......そう......これは夢なんだ........」


心ここに在らずと言った様子でボソボソとそう口にするデレナ。


「友人.......ゆう「夜道、気をつけて。」


心は痛むが、家から追い出し、鍵を閉める。

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