終わり良ければ全てよし?
「__________あーもう分かった、分かったって!はいはい、時子達の敗けですぅ!大人しくしますって!!」
ガミガミと説教をする星々と銀城。それを一重に受ける時崎は項垂れていた。
「___________無事に決着がつきましたね。」
顔面に上履きの後がくっきりと残り、両方の鼻の穴にティッシュを詰め込んでいる猫屋敷。その両隣にはボロボロのジョンソンと無傷のジェイソンがいた。
「おいおい、ボロボロじゃないか。ママにでも怒られたのか?」
「あぁ、てめぇのママと一発やったからこうなっちまったんだよ。」
「なんだと?もう一度言ってみろ、ステロイド野郎。」
海外テイストな罵り合いを猫屋敷を挟みながら繰り返す両者ににゃああーと叫び声を上げる猫屋敷。
「うるさいです。」しゃー
二人をジト目で威嚇する猫屋敷。
「「ソーリー」」
((.......かわいい。))
猫屋敷には逆らえない二人なのである。
「言った通り銀城先輩強かったでしょ、裏切~。」
「あぁ.......情けないが、一撃で眠らされたよ。一応、僕も柔道では全国大会に名を連ねるくらいには実力がある筈なんだがな。」
「やっぱイケメンしか勝たんって事よ」
「武田さんはどっちの味方なんだよ..........」
裏切の背中をバンバンと叩きながら嬉しそうに笑う武田。その後ろで腕を組み、沈黙を貫く隻。
「................俺達の完敗だな。」
月を見上げ、ボソッとそう呟く隻。それを聞いた裏切と武田は苦笑を見せ、そうだなと同意する。
(...........意味わかんないんだけど。なんでちょっといい感じに閉めようとしてんの。時崎、あんたにちょっとでも親近感を覚えた私がバカ見たいじゃない。)
苛立ちを隠せない。
(友人........なんで私を見てくれないの?私はここだよ?ずっと一緒にいてくれるって約束したじゃない?なんでなんでなんでなんでなんでぇ?)
こんなに好きって感情が溢れてるのに何もしてくれない。休憩時間や昼休みの表面上の会話くらいしかしてくれなくなった。
(家だって鍵を変えられちゃったし...........)
風紀委員としての立場を除けば、接点が面林しかないんだ。
(いや.......そんなの嫌だよ...........)
嫌でも友好関係を手放せない。彼奴といる限りは友人と触れあえるから。




