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実験台を蹴り飛ばし、銀城がいることを確認する武田。


「外れか.............ふふ。」


まさにホラーゲーム。制服の下に隠れた筋肉が為せる技だろう。と言うか、破壊した扉や机ってどうなるんだ?生徒会持ちなのか、風紀委員持ちなのか、それとも破壊した当人持ちなのか。


(今はそんなこと、考えている場合じゃないな.......)


武田は嗅覚がいいと言っていた。其は逆に弱点にもなるということだ。上シャツを脱ぎ、白Tシャツのみとなる。


(これを囮に奇襲を仕掛ける。)


四角からの攻撃で確実に仕留める。筋肉の鎧を纏っていようと、顔面を含めた急所を狙えば意識を刈り取る事は出来る。


(時崎と武田を女と考えるな......以前もそれで深傷を負っただろ。)


相手が女性だと力が半減してしまう。時崎と戦った際も同様に、だ。無意識的に身体が強張ってしまう。この癖は生涯直ることはない。


(デレナがまだ空手をしていた時に怪我をさせてしまった.........そのせいでデレナは空手をやめざるを得なかったんだ。その時のトラウマが重なるんだよ。)


武田が白シャツの方へと向かって行く。


(.............いつも通り、今出せる力で対応するしかないんだ。)


そして武田の背後へと忍び寄り、彼女の名前を大きく叫ぶ。


「________________風林ッ!!!」


武田はぐるりと首を回すが遅い。下段から右足を大きく振り上げる。その蹴りは武田風林の顎を突き上げ、後部へと転倒する。


「ごめん、武田さん。元空手家として卑怯な真似をした。許して欲しい何て言わない。だけど、僕達は君達を正さないといけない。生徒会だから。」


その場を去ろうと背を向ける。そして教室を出ようとした刹那、何かが腰に引っ掛かった。


「つ~かまえたぁ~♡」

「ッ!?」


武田風林がニタァと自分の腰に両手を回していた。


(やばいやばいやばいやばい)


心拍数が上がって行く。抜け出そうと踠くがしっかりとホールドされているために抜け出す事は不可能。


(あれだけ油断するなと自分に言い聞かせていただろッ!)


武田は自分をホールドしたまま廊下へと移動させられる。


「______________私、銀城先輩の超ファンなんですよね。銀城ファンクラブ会員No.03のIDカードも持ってます。風紀委員に入った理由もお近づきになれるかなって不純な理由ですし。」


自分のファンだと言い出す武田。確かにファンクラブとやらの存在は黙認してたが、まさか武田がその一人だったとは.......


(.............いや、諦めるな。勝機はまだある。)


これを何とか利用できれば、隙を作る事が出来るかも知れない。


「___________先輩の考えている事は身体から伝わって来ます。無駄な抵抗は止めて下さい。私はレスリングの女帝なんですよ?」


三冠王。言葉の重みが違う。実際にレスリングをしている奴と戦った事がある奴ならば分かるだろうが、掴まったら終わりだ。


(純粋にレスリングをしているやつは強い。)


さらに喧嘩も極めている奴であれば、地面へと簡単に組伏せられ、たこ殴りにされる。


「話を戻しますが、私は先輩の事がむっちゃ推しなんです。推しの子なんです。アイドルなんです。アイドル○スターなんです。」

「い、いや、それは意味がよく...........」

「銀城先輩の正拳突き、そして蹴り上げは最高でした。推しに殴られるのってこんなに気持ちが良いものなんですね。」


はぁはぁと息が荒くなる武田。気持ちが悪い。


「お、お金を払ってもいい.......って正直に思っちゃいました。」


ホールドする手の間には万札がいつの間にか挟んである。


「銀城先輩の態度次第では______________チャンスを上げてもいいですよ?」

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