路線変更した訳じゃないんだからね!
「_____________裏切くん、ごめん。」
襲い掛かって来た裏切の顎を右ストレートで撃ち抜き、無力化する事に成功する。相手が時崎や武田だった場合は確実に塞がれていただろう。それ以上にカウンターも返ってきた筈だ。
(まぁ、それくらいの差が僕と裏切くんの間にはあるってことだね。)
チョンチョンと後ろからつついてくる猫屋敷。
「先輩って.......もしかして強い?」
彼女相手に謙遜をしてもしょうがないか。
「_______________強いよ、僕は。」
そもそもハーレム主人公の親友(イケメン枠)が弱いわけなどないのだ。
「先輩って...........結構ナルシストの一面ありますよね。」
(このくそ猫............)
型ではなく実戦形式での試合で何度もメダルをとって来た自分が弱いなんて口に出来る訳がない。流派や師に対しての侮辱になってしまうのだから。
(それに徒手空拳に限定した話であれば、高校生の中でも上積みに入る自信はある。)
猫屋敷がニマニマした顔で怒りました?怒りました?と言ってくるのでほっぺたを強く引っ張ってやった。
(........強さ云々の話はどうでもいいんだ。この世界はいわゆるハーレムラブコメを中心とした世界の筈。だけどなんでかな、ずれ始めている。)
胸を強調したエロゲ専用とも言える乳袋制服。無駄に学園で権力を持つ生徒会や風紀委員。それら全ては理解の範囲内。寧ろテンプレートな学園ラブコメまたはギャルゲに基準するものだ。
「________なんだかバトル漫画見たいですね笑」
そう、それだ。書籍化した際のカテゴライズは絶対に恋愛/現実でなければならない。決してアクションではないのだ。
(ヒロインの一角もそう感じざるを得ないこの異常な状況。)
軌道修正しなければならない。デレナを確定ヒロインにするどころの話ではなくってしまう。
「ス○リート○ァイターか○拳、先輩はどっちが好きですか?」
どっちが好きですか?ではないのだ。まさにストリートなファイトを学園で行っている真っ最中だろ。
「僕たちの本来の仕事は事務職なんだよ、猫屋敷さん。決してこんなことをするために生徒会や風紀委員が機能している訳じゃない。」
本来であればあり得ないシチュエーションなのだ。なんで普通に生徒会と風紀委員が拳で殴り合っているんだ。この現状は普通じゃあない。
「てっきり生徒会と風紀委員のレクリエーション的な何かだと思ってました!」
そう言えば○ンガン○シュラ見たことありますか?家庭教○ットマン・○ボーンの初期を思い出しますね!と凄くグレーな事を口にしてくる猫屋敷。
(こんなレクリエーションがあってたまるか..........)
さっきから本当に口数が多いな。黙ると言う概念がないのかも知れない。もう一度ほっぺをつねって置こう。
「銀城副生徒会長..........私と戦ってくれますか?」
武田が教室の扉を破壊して登場する。○イラントかな?




