喧嘩少女vs筋肉柔道
「うおおおおおおおおぉぉおおお!!!」
時崎時子を掴む為に腕をブンブンと振るうジョンソン。だが、時崎はその身軽な身体を使い掴まれる事を防ぐ。そしてローキックを膝に喰らわせ、一定の距離を保つのだ。
(プロの格闘家が確実に柔道家に勝つ方法、それはヒットアンドアウェイ。)
捕まれたら最後、柔道家の土俵に引きずり込まれる。
「おいおい、こんなんじゃあ時子には一生勝てんないぞぉ♪」
(そして、相手の冷静さを欠くために挑発を続ける。)
怒りに任せた攻撃は相手を単調な行動パターンにする。
「ふっ!!」
(右手で掴み掛かってくる。それを右手で流して、左で鳩尾に一撃っと。)
ジョンソンは腹を抑え、後退する。だが、時崎はそれを追撃するようにジョンソンへと跳躍し、顔面へと膝蹴りを叩き込んだ。
「がはっ、」
鼻血を流し、怯むジョンソン。時崎はにぃっと口元を上げ嗤う。
(この相手を圧倒する瞬間が私は大好き。)
拳を強く握り締め、ジョンソンの肉体へと何度も拳を叩き込む。ズシンとその巨体は膝を着き、白目を向くジョンソン。
「もう少し遊べると思ったけど、期待外れだなぁ~。」
時崎はジョンソンへと近付き、残念とした表情を見せる。そして背を向け次の相手を探しに行こうとした刹那、腕を掴まれてしまう。
「_________________おいおい、まだデートは終わっちゃあいないぜ。」
時崎は冷や汗を見せる。そしてなんとか抜け出そうとするが、逆に引き寄せられ、頭突きを喰らう。
「がぁッ!!?」
(ッ、油断した..........)
時崎は額から血を流す。だが、足は地面についている。しかしジョンソンの拘束は解かれていない。
「..........私の顔に傷をつけたな?」
「だったらなんだ、三しッ」
時崎は鬼の形相となり、ジョンソンの顔面へと拳を間髪入れずに叩き込む。
「がはぁっ」
血を吐き出し、意識を失いそうになるジョンソン。
「三下はお前だ、タコ。」
そこにもう一度、同じ箇所に拳を振り下ろす。完全に意識を失うジョンソン。
「ん?」
だが、その手はまだ時崎を掴んでいた。
(こいつ、意識を失ってもまだ........)
ジョンソンの身体はコントロールを失い、前方へと倒れようとしていた。それを避ける様に時崎は動くが......
「うぐああああああああああああああああ!!!!!」
ジョンソンは雄叫びを上げた。そして時崎は反応が遅れ、胸ぐらを掴み上げられてしまう。
「くっ、」
(ヤバい、この体勢はヤバいッ!!!)
時崎は抵抗する間もなくジョンソンに大外刈をされ、体勢を崩される。
(どうするどうするッ!!!)
背負い投げのモーションに入り、回避が不可能な体勢にいる。受け身を取ろうとも大ダメージは確定だ。
「や、やめ、人殺しになるつもりか!!!」
(ここセメントぉ!!!背負い投げはマジで死ぬってぇ!!!!)
だが、ジョンソンは意識が完全に途絶えている為か時崎の声は聞こえていない。
「あ、これでじゃぶッ_________________」
時崎時子は地面へとその身体を叩き付けられ、完全に意識を手放す。ジョンソンもまた、白目を向いたまま、その場で動かなくなるのだった。