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独眼竜(勇者王)

「ぐっ..........深淵より召喚されし古の獣め..........俺を内側から呑み込むつもりかぁ............ぐあぁ、ぐっ、だが、俺が抑えなければ世界は滅びてしまう............」


剣道部道場の壁際にて、痛みを耐えるように右腕を押さえる隻政宗。


「ぐあああああああああああっ..........逃げろ.........俺が.......俺でなくなってしまう.........前にぃッ!!!」


○神月並みに地面を転げ回る隻政宗を可哀想なものを見る目で傍観する紀陽ジェイソン。



「政宗、お前はまだ........そんな事をしているのか。」



竹刀を地面へと着け、隻政宗が立ち上がるのを待つ。


「ふっ、ふふふ、くく、あっはははははははっはは!!!!ようやくだぁ.........ようやくこの肉体を手にする事が出来たッ!!!」


高笑いを響かせ、ゆっくりと立ち上がる隻。そしてアイパッチを外すと紅い瞳がジェイソンを捉える。


「政宗.......このくだりは腐る程に見せられた。お前はもう子供ではないんだ。いい加減に大人になれ。」


竹刀二振りをクロスさせ、ジェイソンを睨み付ける隻。

「深淵に堕ちし黒龍よ、共鳴せよ、呼応せよ、汝の敵はこの世界の果てに存る。黒天流真義_____________一界二双(クロス・エッジ)ッ!!!!!!!」


縮地にも等しい速度で間合いに入り込む隻政宗はジェイソンへと二双の斬撃を解き放つ。


「__________現実で技名を叫ぶなと何度言えば分かる。」


竹刀二振りが弾き飛ばされる。隻は驚いた様子で後退るが、ジェイソンはそれを逃がしはしない。


「うが、がああああああ......はぁ......はぁ........紀陽、先輩?俺は、なんで道場に.......」


突然苦しみ声を上げる隻は右目を抑え、ジェイソンの名を呼ぶ。


「演技はもういい。お前を矯正する。」


鬼のような形相で隻を道場の端まで追い詰めるジェイソン。隻は冷や汗を流しつつ、ぎこちない笑みで救いを求めた。


「き、紀陽先輩、う、うそ、うそです、ごめんなさい、もうやりません、「何回目だ?」え?「そう言う事だ」ま、まって、いや、やめて、本当に、まじで、く、くるな、こないで、来ないで下さい!!ぎゃあああああああああああああああああがっ_________________」


隻の頭を気絶する程度に竹刀で叩く。そして縄で身体を拘束し動けないようにした。


「まったく、世話の焼ける男だ。」

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