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バトル・ロワイアル

時崎時子が提示したルールはシンプルなバトル・ロワイアル。学園の全敷地を舞台に最後まで立っていた『側』の言うこと聞くことを条件に両陣営は戦う事になる。


「あの先輩.........どうして仔猫たちは戦わないといけないんですか?仔猫、人殴った事ないです.....」

「うん、今日が初めての日になるね。」


自宅にて生徒会メンバーを招いての会議。残されたリミットタイムまで四時間。その時間内に作戦を決めなければならない。


「そんな澄んだ目で言われても殴れませんよ!」


展開に追い付いつけていない猫屋敷を宥めながら会議は開始される。


「蓮華先生や心眼先生に報告はしたけれど、知らない振りをされたわ。風紀委員側の行動を学園は黙認するつもりよ。暴力での解決は良くないけれど、時崎さんたちを説得するにはどうやら彼女が提示した方法に乗るしかないようね。」

「この学園って実は少年漫画時空なんですか?」


猫屋敷の言う通り、ハーレムラブコメ時空にはあるまじき展開になってしまっている。それもこれも風紀委員サイドに武闘派が多い事が後押ししているのだろう。


「とりあえず担当を決めるしかない。」


1.武器の使用は金属類でなければ何でもよい。

2.トラップや遠距離武器の使用はしてはならない。

3.タイマン中の割り込みを禁止とする。


この三点を守ってのバトル・ロワイアル。脳筋らしいルールに頭が痛くなる。これは純粋な肉弾戦を強制されるのだ。


「時崎さんは僕が「銀城、俺が時崎とやる。」


ジョンソンが闘争心剥き出しの目で時崎時子の相手をすると言葉を挟む。


「毛利くん、時崎時子は強いよ。君は彼女に勝つ算段はあるのかい?」

「この筋肉が見えるか?ステロイドじゃねぇ。正真正銘、鍛え上げられた男の筋肉だ。さっきは不意打ちで腹に一発喰らっちまったがもう二度と遅れはとらねぇ。俺に時崎とやらせてくれ。」

「............分かった、君に任せるよ。」


時崎時子の相手は毛利ジョンソンに担当して貰うことになった。正直に言うと本当に助かる。あの女とはもう二度と戦いたくはなかったから。


「ならば俺も相手を指名していいか。」

「_________________隻政宗くんだろ。」


アイパチイケメンで有名な隻政宗。行動が痛すぎて他生徒達からは敬遠されている印象を持つ。剣道部に席を置いてはいるけれど、大会以外では練習に顔を出さないらしい。


「あぁ......彼奴は元俺の部下(後輩)だ。少しばかり隻の話をしよう。中学二年生に上がってから奴は変わってしまったんだ。片腕を抑え、苦しみの声を上げる毎日。竹刀を振るう時も蛇王なんたら黒龍なんたらと奇声を上げるようになった。中学の頃はまだよかったさ。子供で通るからな。だが、奴は未だに妄想の中で生きている。俺にはもうどうしてやることもできなかった。いいや、奴のあの痛々しい姿を見てはいられなかったんだ。だから..............剣道部から追い出してしまった。」


その容姿と声のせいで壮絶な過去の様に聞こえるが、中二病を未だに煩わせている高校一年生を部活から追い出したって話だよね、それ。


「でも風紀委員室にいた時は静かだったよね。」

「彼奴は竹刀を持っていない時は人見知...........寡黙な男なんだ。」

「うん、ジェイソン君には隻くんの相手をお願いするよ。」


ツッコミどころが多すぎる。その隻政宗、キャラがたちすぎてる。


「私は釘宮とやろう。異論は聞かない。」


星々さんはそう言うと目を閉じてしまった。まぁ、敬遠の仲だし当然のマッチングだろう。


「残ったのは柔道が得意な裏切くんと女子プロレスの怪物、武田さんだね。猫屋敷さん、どっちにする?」

「どっちにするって...............先輩、仔猫戦えませんよ。」

「強いて言うなら?」

「..........武田先輩の噂は結構えげつないので、裏切先輩かもです。て言うか普通に仔猫リョナ展開になっちゃいますよ!いいんですか、先輩!」

「別にいいんじゃないかな。」

「おい」


担当者は決まった。後は作戦を決めてこのふざけたバトル・ロワイアルに挑むのみだ。

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