風紀委のイメージって二つに別れるよね
「______________諦めてくれる気になったかな?」
風紀委員が管理する教室で釘宮デレナへと例の動画を見せる時崎時子。室内には携帯から漏れる喘ぎ声だけが木霊する。
「ここって風紀を正す委員会だよね。なんで、アンタが開口一番に破ってるわけ?」
「破ってはいないよ。すきピとはそう言う事にするもんでしょ?」
室内は暗く、殺気に満ちる。
「そう言うのマジキモいんだけど。」
「ごめんね、友人の童貞奪っちゃって?」
デレナの額にピキリと血管が浮かぶ。そして、鞄から自分の携帯を取り出し何やら操作をし始めた。
「本当は見せたくなかったんだけどさぁ.......アンタにこんなことで一々イキられんのウザイから見せて上げる。」
釘宮も時崎に習い、動画を見せつけるように時崎の顔に近付ける。
「...............っ、これ、風紀乱すどころか犯罪でしょ!」
深い眠りにつく銀城。そしてえっちな下着へと身を包む釘宮デレナ。彼女は彼の衣服をハサミで切り裂き、裸となった銀城へと跨がる。動画は言わずもがな結合して最後まで至っている。
「強めの睡眠薬に海外から取り寄せた○イアグラをその日の夕食に忍び混ませたの。」
「だからそれが犯罪だって言ってんの!それにこれ何時とった!なんか二人の幼さが抜けてないような気がするんだけど........釘宮、あんたまさか!?」
目を細め、上目遣いで頬を釣り上げる釘宮。時崎はひくひくと引いた表情で一歩たじろぐ。
「中学一年生に上がり経ての頃だけど、なに?」
「中学一年生に上がりたての頃って........」
「ごめんね、友人の童貞奪っちゃって?」
釘宮は冷めた目で見下すように時崎へとそう告げる。
「へぇ..............マジでキモいね、お前。」
拳を強く握り締め過ぎて、血がポタポタと地面へと落ち始める。
「友人ってね実は人気があるの知ってた?」
「............それをもし本気で言ってるんだとしたら私はお前を軽蔑する。」
「モテルのモテるとは違う、正統なモテ方。一般的なモテ方の方がいいのかも知れないわね。」
王道的に容姿が群を抜いていい。一般的な美的感覚で凄く整っているのだ。そんな常識、誰でも知っている。
「モテルと違って友人は大衆の人気が凄まじかった。アンタや私の比じゃない。中学の頃なんか特にね。」
空手で多くの賞を貰い、マスコミにもよく取材され世間からも注目されていた。ファンクラブが出来る程に人気は凄まじかったのだ。
「本人は謙遜してそんなことはないって言うかもだけど、アイツは本当にモテてた。告白なんて週十以上は普通の世界。隣に私がいても告白してくる糞女も数人いた。」
「それは.......うん、ストレス感じそう。」
「感じすぎて、ついヤっちゃった。正直、あの時私は正気ではなかったと思う。気付いたら薬盛ってたもん。」
てへぺろと舌を出し、ウィンクをする。
「もんって.........」
「ただ、私に入り込んで来たものの形は鮮明に覚えてる。硬くて、逞しくて、とても、とても.........気持ちが良かった。」
「官能的に言ってもお前がしたことは紛れもないレ○プだから。それに、友人くんはぐっすりと眠りについてて気づいてないじゃん。」
「そこは別にどうでもいい。初めてがこの釘宮デレナであることが重要なの。幼馴染以外の女に初めてを奪われて言い訳がない。事実、アンタみたいなのが友人と交配したじゃない。」
時崎は机の上に腰を下ろし、自分の頬へと右手を当てる。
「そ♡いっぱい友人くんとぉえっちしちゃった♡」
「...........ちッ」
舌打ちをし、席を立ち上がる。そして風紀委員室を去ろうと教室の扉に手を伸ばすと外側から扉が開けられる。
「______________風紀委員室は回れ右だぞ、釘宮。」