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ハゲ猫ハゲ

「__________ジェイソン先輩とジョンソン先輩はなんで生徒会に入ろうと思ったんですか?あと、普通に名前呼びでずっと呼んでますが、名字の方がいいですか?」


その日の放課後、猫屋敷子猫は親睦を深めるために紀陽ジェイソンと毛利ジョンソンを誘った。二人は渋々とした様子で猫屋敷の誘いを承諾し、帰宅を共にすることする。


「名前呼びで構わない。俺は..........銀城友人と面識がある。彼方は忘れているようだがな。」


苦笑を見せるように猫屋敷へと語りだすジェイソン。


「同じ土俵では勝てないと錯覚させる程の腕前......」


拳を握り締め、苛立ちを見せる。


「........悔しいが、奴には二度空手で敗北を味あわされている。」


幼少期に一度。そして、銀城友人が最後に参加した中学二年生の時の全国大会。目標であった男に手も足も出せずに再び敗北した。


『君は柔術か剣道を専攻したら、日本一を取れる。その速度と反射神経は誰にもない君だけの才能だ。』


倒された自分を起き上がらせる際に言った台詞を今でも鮮明に覚えている。銀城友人が言った言葉の通り、柔術を嗜みつつ、剣道に力を入れた結果が去年の剣道全国大会銀メダルだった。小癪ではあるが、銀城友人は人の才能を見抜く力がある。


「此方の一歩先を読み、先手を打ってくる。洞察力、そして適応力に長けた才能。あれは天に愛されている。」


認めなければならないのだ。銀城友人がただの凡夫ではないことを。


「おいおい、勘弁してくれ。副会長にチ○ポでもしゃぶられたか?気色悪いほどに褒めちぎりやがって。称賛はしていい。だが、崇拝はするな。副会長様が言っていただろ。俺達には前生徒会を越えるポテンシャルがある。なら、俺達がやることは星々や銀城の背を追うことじゃない。俺達自身が道先案内人として学園に爪痕を残すんだ。誰にも成し遂げなかった事をするんだよ。」


ジョンソンの言う通り。自分達には可能性があるのだと提示された。ならば、それを証明するしかない。


「ジョンソン先輩もたまには良いことを言いますね。」


猫屋敷はくすりと嬉しそうに笑う。そしてすんと表情が戻り、二人の前へと立ちはだかるように仁王立ちする。


「______________銀城先輩は手強いですよ。無駄に頭がきれるせいで誰も信用していない。自分の殻に閉じ籠ってる卑屈なイケメンさんなんです。だったら、その殻をぶち壊す程の衝撃を与えてやりましょう!東京ドリフトです!」


ジェイソンとジョンソンは顔を見合せ、笑い声を上げる。そして二人は猫屋敷の背中を叩き、三人は未来へと向け歩きだすのだった。

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