新生徒会役員共
「_____________以上、銀城友人。」
生徒会副会長への立候補演説を終えて一礼をする。
(生徒会長、並びに副生徒会長へ立候補した生徒は星々さんと僕以外にはいない。確定で生徒会には残留となる。)
パチパチと拍手がなる中、現生徒会役員の席へと戻り、着席する。
「__________私達にとっての最後の年だ。共に学園を盛り上げて行こう。」
「__________そのつもりです。」
そして残りの立候補者による演説が始まった。書記、会計、庶務、そして風紀委員長に副風紀委員長の順に演説は行われる。
「二年二組、出席番後十三番、紀陽ジェイソンだ。書記に立候補する。」
剣道部主将の紀陽ジェイソン。今年の剣道全国大会で銀メダルを獲得している猛者。どうみても高校生という外見ではない。声も渋く、貫禄が在りすぎる。ジェ○ソン・○テイサムにしか見えない。て言うか最早本人だろ。
「二年二組、出席番後二十二番、毛利ジョンソンだ。会計の役職に立候補させてもらう。」
柔道部主将の毛利ジョンソン。今年の柔道全国大会で銅メダルを獲得している猛者。ガタイが良すぎる。なんだ、この筋肉モンスター。○ック、○ウェイン・○ョンソンだろ、こいつ?
「一年一組、猫屋敷仔猫。庶務に立候補します。応援、宜しくお願いします。」
庶務に立候補したのは宣言通り、猫屋敷仔猫だった。四代美少女と呼ばれる学園の華の一人ではあるのだが、上記二人のインパクトが強すぎて存在感が霞んで見えてしまう。
(...............生徒会の立候補者は各役職ごとに一人しか出てこなかったか。拍子抜けだな。)
生徒会に立候補するものがもう少しばかりいるとは思ってはいたけど、予想が外れてしまった。一応、形としては選挙はするだろうが、今の立候補者達が実質新生徒会メンバーとなるだろう。
「______________言うことを聞かないなら、噛み殺すよ?」
風紀委員の腕章を制服に付け、壇上へと上がる見知った顔。
(................時崎時子)
風紀委員の仕事は生徒の相談事や学内の警備、巡回を行う事を主体とする。そして彼らは選挙という形で決まるのではなく、学園でも特に模範的な生徒が学園側から選ばれることが多い。
「なんてね。私が新風紀委員長の時崎時子です。もし校内で不審な人を見つけたり、変な事をしている生徒を見つけたらジャッジメントですの!しちゃいます。だから、くれぐれも真面目な生徒で清く正しい学園生活を送って下さいね♪」
学園の生徒達は時崎時子の本性を知らない。この女に正面切って勝てる奴はこの学園には誰一人としていないのだ。
(反感は出るだろうが実力で黙らせるんだろ?)
風紀を正せるのは強大な力を持つ者だけ。時崎は自分の実力を隠す必要はないと判断したのだ。だが、一つだけ疑問がある。
(........なんで君がそこにいる?)
時崎時子の隣に並び立つもう一人の女生徒。彼女もまた風紀委員としての腕章を制服につけていた。
「_____________副風紀委員長に選ばれた釘宮デレナ。もしアンタ達が言うことを聞かないって言うんなら、その身体に風穴開けるから。真面目に学園生活を送りなさいよね。」
ふんっと顔を背け機嫌の悪い表情を見せる幼馴染。
(デレナ..........一体どういうつもりだ。)
どうみてもこの先の展開上、お前達二人は敵対関係をする筈なんだ。なんで、協力関係になっている。
「銀城___________」
自分の肩に誰かの手が置かれる。誰なのかを確認するために後ろを振り向くと。
「_______________蓮華先生。」
どうやら全ての歯車が回り始めたらしい。これから先は一筋縄では行かない事を暗示しているのだろう。
(勘弁して欲しいな______________)
冷や汗をかきながらも頬を上げ、現状を楽しむように笑って見せる。
(_________________第二章の始まりだ。)




