猫は面倒見がいい.....?
(先輩、どうしたんだろう.........)
涙を流していた。あれはゴミが目に入ったとかそう言った涙の流し方じゃない。先輩の表情が何処か嬉しそうで、悲しみを帯びていたのがいい証拠だ。
(..............初めて最照先輩と会話を交わしたのは放課後のゲームセンター。その時、最照先輩が必死になってゲームセンターにある全クレーンゲームの景品を獲得しようと躍起になってた。)
その時にまぐれで同じ景品をとったからと猫の縫いぐるみをくれたのだ。嬉しかった。誰かから何かを貰うのが初めてだったから。
「あの時、最照先輩言ってた親友って.......」
親友が悲しまないように自分に出来る事をしてるんだって最照先輩は苦笑していたのを鮮明に覚えている。
『自分にはクレーンゲームくらいしか才能がないからさ、せめて親友が悲しんでるなら何かして上げたいんだ。こんなんで喜んでくれるかは分かんないけど、俺は何もしないよりして後悔する方がいい。』
親友の両親の命日が近い。だからゲームセンターにあるクレーンゲームの景品を全財産を賭けて取れるだけ取ると豪語したのだ。そしてプレゼントして驚かせるのだと。
(面白い人だなってその時は他人事に思ってた......)
そして最照先輩が同じ学校の先輩であることを後に知って休憩時間毎に絡みに上級生の教室へと行きはじめたんだ。
「...............銀城先輩。」
コントローラーを置き、先輩を探すために立ち上がる。
「うぅ........銀城先輩ッ!」
知らなかったとは言え、マイペースな事を考えなしに口にしてしまった。
(何が側にいてやる、だよっ!偉そうに!!)バン
洗面所で顔を洗っている先輩を見つける。タオルで顔を拭っている銀城先輩へと後ろから抱き付く。
「ね、猫屋敷さんっ?」
「先輩の側にいますから」
「え、いきなりなに「先輩の側にずっといますから!!」
銀城先輩を一人にはさせない。この人には仔猫が必要だ。仔猫が近くで一緒に居て上げないと駄目な人なんだ。
「猫屋敷さん、僕は「仔猫が先輩を守る!守るんです!」
え、えぇ......と困惑した様子を見せる銀城先輩。そして続けて仔猫は先輩に言ってやりました。
「慰めッ○スして上げたいのですが、仔猫、今ちょっと生理中なので........来週の週末って空いてますか?」
今度はこいつ、なに言ってんだってドン引いた表情をしているけれど、仔猫は本気なのです。
(銀城先輩にこそ仔猫の初めてを捧げるべきだと.......この時に確信しました。)
まぁ言わずもがなこの後二人で無茶苦茶ス○ブラしましたとも。先輩の胡座の上は案外と座り心地が良かったです。




